2011年1月 Diary
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13.7% Diary
基本まったり更新です。
1月30日(日)
text+1
textにひとつ追加。
シズ→イザです。なんかどっかで書いたネタだなーと思いつつ、結局もったいないので上げちゃいます。





今日はなにやら一日中眠かったです。というか半分くらい寝てたような…。夢にデリックのメンテ中にサイケとか日々也に乱入されて静かにしろと文句を言う臨也さんが出てきたのでそういう話を書けということか?とか思いました。情報屋じゃなくて派生組の製作者な臨也さんの話はどっかで書いた気がするのでたぶんその辺のネタと思われます。





◆ケモノの王様 26
※けもみみパラレル小ネタ連載。


「…先に一応訊いとくけど」
「何だ?」
「手前は、臨也の“元”許婚なんだよな」

静雄の問いに、九十九屋はくっと笑う。

「ああ、そうだ。元だ。今は違う」
「…そうか」
「だが、それもお前の返答次第だな」
「…どういうことだ」

尾を揺らめかせ警戒を続ける静雄。
その様子に目を眇めて笑みを深くし、答えた。

「俺には誓いがある。そして、俺は今それを果たすためにここに居る」
「…意味分かんねぇ…」

意味は分からないが、だが、やはりその人を煙に巻くような言動が、臨也を思い起こさせる。
不愉快だった。臨也と同じ時間を過ごしていたことを匂わせるこの男の存在自体が、静雄には酷く不愉快だった。

「平和島静雄」
「…………」
「お前は臨也が何であるかは理解しているな?」
「…ああ」
「あいつは猫に生まれはしたが龍の血を引く。そして、龍族は一族の掟に縛られる生き物だ」
「…だから、何だってんだ」

ぐるると唸って早く本題に入りやがれと睨む静雄に。
九十九屋は短気なやつだなと呟く。

「あいつはいずれ本家に連れ戻されるぞ」
「ッ!」

その言葉に、静雄は思わずビクリとしてしまう。
いずれ決着をつけねばならない問題であるとは理解していたが、今ここでその話をされるとは思っていなかったからだ。
今の静雄と臨也の婚約は、二人だけの口約束に等しい。臨也の両親と妹たちには認めてられていても、臨也の血の半分が簡単に事を進めてくれないことは分かりきってた。
だからこそ、

「やつらは龍を一匹でも増やすためなら何でもする。そういう連中だ」

その龍族である九十九屋の言葉は、静雄の心に重く響いた。



※臨也さんは非常に微妙な立場なのです。


1月29日(土)
企画+1
企画部屋にひとつ追加。
うっかり上げ忘れた静誕企画のおまけです。通常シズイザ…というかシズ⇔イザ。





うっかり28日に上げ忘れたものをとりあえず上げにきました…。明日は通常更新になります。


1月28日(金)
企画+2
企画部屋にふたつ追加。
静誕企画でけもみみパラレルと『猛獣』設定のSSです。期待はずれな出来ですみません…。





シズちゃんハピバ!と日付変更からテンション高いままの管理人です。誕生日プレゼントは何がいいですかね〜とか言う色々な意味でやばい人になってます。そろそろリアルに戻ってきなさいよという突込みを受けつつ、本日はおそらくこのテンションのまま終わる気がします。シズちゃん誕生日おめでとう!






◆ケモノの王様 25
※けもみみパラレル小ネタ連載。


臨也がいると思われる場所に到着した静雄は、そこに佇む男を見つけて足を止めた。
静雄の存在に気付いたのか、男は振り返り。
そして、問いかけてくる。

「お前が平和島静雄だな?」

明らかな確信を持っての問いに、静雄は怪訝そうな表情をした。
見たことのない男だ。
だが、警戒を強めながらも周囲に残る臨也の匂いを嗅ぎ取り、何となく相手が誰なのかは直感する。

「手前が、九十九屋か」

静雄言葉に、くっと笑った相手は今の今まで抑えていた気配を一気に開放した。
辺りの満たす、強い力を持つ龍族特有の気配。
神経を逆なでするそれに、静雄の警戒心は一気に高まる。

「臨也はどこだ」
「さて、どこだと思う?」
「手前、ふざけてんじゃねぇぞ」
「ふざけてはいない」
「…ここに臨也がいねぇのは分かってる。手前があいつの居場所知らないってんなら俺は手前には用はねぇ」

ふいっと顔を逸らして踵を返そうとする静雄だったが、
「まあそう言わず、折原の話でもしないか?」
と言う九十九屋に、ピタリと足を止めた。
そうだった。この男は臨也の元許婚だったのだ。しかも、おそらくまだこの男は臨也を諦めていない。本能的にそれを察して、静雄はざわりと尻尾の毛を逆立てた。
この男は自分の敵だ。そう断定して、相手を睨みつける。

「ああいいぜ。俺も手前に話しとかなきゃいけないことがあったのを忘れてたぜ」

ぐるると獣の唸り声を響かせた静雄に、相手は不敵に笑っていて。
それが臨也を思い起こさせて、酷く不愉快だった。



※またしても短い…。


1月27日(木)
text+1
textにひとつ追加。
『嘘つきの恋』21話目になります。





ううーん…あと一歩ってところなんですよねー。とか言いつつ作業中です。試験勉強もじわじわやってますけど難しさのあまり奇跡が起きないと無理じゃね?とか思うのです…や、むりだと思う。






◆ケモノの王様 24
※けもみみパラレル小ネタ連載。


折原臨也と九十九屋真一は一緒に育ったといってもよかった。
臨也は幼い頃から聡明な子供で、自分がどういう立場なのかを正しく理解していた。
臨也の両親は彼を愛している。だが、他の親族からは猫族に生まれたというだけで疎まれてきた。それを理解していた彼は、いつの間にか両親以外で唯一自分を『臨也』という人間として扱ってくれる九十九屋の父親の元に入り浸るようになっていった。それが、九十九屋真一が臨也と育った理由だった。


「この世で最後の黄金竜か」

九十九屋の父親――今は亡きこの世で最後の金色の龍族は、どういう意図を以って自分と臨也を出会わせたのか。
多くの異能を持ち、優れた情報屋である九十九屋ですら、それを知ることはできなかった。分かるのは、自分と同じ願いを持っていたことということだけだ。

「…まったく損な役割だな」

言葉の割に穏やかな顔で笑って。
九十九屋は一回深呼吸した。
もうじきこの場所に、臨也が己の唯一と認めた存在がやって来る。
その存在が、本当に自分の見た未来をもたらしてくれるのか。それを九十九屋は確かめるつもりだった。

「ま、もし期待外れならその時は浚うだけだ」

不穏なことを口にして、振り返った先。
息を切らせた狼族の姿を見つけて、九十九屋は口の端を吊り上げた。



※今回は短いですがここまで。次からまたシズちゃんのターンです。


1月25日(火)
text+1
textにひとつ追加。
『嘘つきの恋』20話目です。





現在静誕SSと原稿と試験勉強を平行作業中です。主に捗らないのはやはり試験勉強ですね。2月の頭に試験なので適度に頑張ってます。試験が来るのは嫌ですがそれを過ぎればデュラ9巻が待っていると思えば頑張れますよ!むしろ早く来い!!


以下、拍手お返事です。お心当たりのある方は反転でどうぞ。
24日 ソラさま
メッセージありがとうございます。はい、ケモノの王様ゆっくりとですが着実に進めております。正臣も帝人も私の中ではだいたいあんな扱いなのです。あ、もちろん彼らも大好きですよ〜(笑)ここからあとは本当に寄り道なしの一直線なので、それなりに早く決着できるかと思います。楽しんで頂けるように頑張ります!応援ありがとうございました!

拍手だけの方もありがとうございました!






◆ケモノの王様 23
※けもみみパラレル小ネタ連載。


ふうと小さく息を吐き出して、臨也は大きく伸びをした。
大したことはしていないが、気分的にくたびれたというのが本音だ。

「ああ疲れた。これで終わりだよね?」
「ああ、お前のおかげで早く片付いた。助かったよ、臨也」
「名前で呼ぶな九十九屋」
「はいはい、折原」

尻尾の毛を逆立てる臨也に大げさに両手を挙げて。
男――九十九屋真一はクスクスと笑う。
あいかわらず過剰なまでに名を呼ばれることを嫌うなと呟く相手に、お前に名前を呼ばれるのは不愉快なんだよと唸る。
臨也はこの幼馴染と呼んで差し支えのない男が昔から苦手なのだ。読めない勝てない。そう理解しているから、どうしても苦手意識を持ってしまう。

「…でも、これくらい自分で何とかできたはずだよね?俺に頼む理由はなかったはずだ」
「お前に会いたかったんだと言って欲しいか?」
「欲しいわけないだろ。反吐が出る」

それ以上馬鹿なこと言ったら怒るよと唸り声をさらに低く大きくした臨也にも九十九屋はただ笑うだけだ。
ああムカつく。そう思いつつも完全に遊ばれていると分かっているから、臨也はぷいっと顔を逸らして相手にするのを止めた。

「とにかくこれで終わり。俺はもう帰るから。あと、君のせいでシズちゃんと居る時間が減ったんだ、この貸しは絶対返してもらうよ」
「分かっているさ。だが、お前もいずれはこの世界でやっていく気ならいい社会勉強になったと考えるべきだな」
「………」

やっぱりムカつく男だ。伸ばされた手が頬を撫でていくのを感じながら、臨也は溜息をつく。
それでも嫌いになれないのはこの男も人間の範疇だからなのか、それとも、別の理由なのか。ああ嫌だ考えたくもないと思って、思考を中断して。
臨也は遠慮なく触れる手から耳を逃がした。

「触るな」

威嚇の代わりに尻尾で叩けば、九十九屋は苦笑して手を離す。

「折原」
「…何?」
「やっぱり俺と一緒に来ないか?」
「いかない」

きっぱりと拒否して。今度こそ本気で話を切り上げる気で、臨也はくるりと向きを変えて歩き出した。
その後姿を引き止めることもなく見えなくなるまで眺めてから。
苦笑を別の種類の笑みに変えた九十九屋は携帯を取り出し、送られてくる情報にくつくつと喉を鳴らした。



※九十九屋さんのキャラとか口調がまだ掴めてません…


1月23日(日)
text+1
textにひとつ追加。
『猛獣』設定で何ということのない話。





じわりじわりと原稿消化中です。たぶん来週中に一段落して、次は来月からまた…という感じになりそうです。
それはそうとついに新VAIOノート様の重さに音を上げて持ち運び用の小型ノートを検討中。2kgってしばらく持ってると結構重く感じるんですね〜。でも動画編集とか音楽編集をいくつも窓開いてできるので重宝してます。まあ外出中はオフィス系ソフトぐらいでそんな作業はしないのでもう少しスペックを落としたのを探そうかと思います。パナの10インチのやつが気になってますがお値段が現実的じゃないんですよねー…


以下、拍手お返事です。お心当たりのある方は反転でどうぞ。
22日 けものが〜の方
ちんたら進めている話ですが楽しみにして頂けて嬉しいです。はい、やっと収束に向かって動き出しました〜。一ヶ月近く休みを挟んだのでちょっと早めに進めているのですがまだもう少しかかりそうです。具体的にいつ頃終わるかは分からないのですが、よろしければ最後までお付き合い下さいませ。
拍手&コメントありがとうございました!

拍手だけの方もありがとうございました!






◆ケモノの王様 22
※けもみみパラレル小ネタ連載。


「少し待ってもらえますか」
「?」
「臨也さんのこと、探してみます」

どうやってだと静雄が聞く間すらなく。
帝人は携帯を忙しなく操作しながら、小さく、けれど深く呼吸する。
その仕草に見覚えのあった静雄は、声をかけずにただ見守ることにした。

「じゃあ俺も仲間に見かけたか訊いてみるか」
「私も、みんなに訊いてみます」

そう言って、正臣は携帯を手に少し側を離れ、少女――園原杏里は罪歌の子供たちに呼びかけながらその場を離れた
それを見ながら、静雄はあー…こいつらも普通じゃねぇわけか、と妙に納得した。
竜ヶ峰帝人は臨也の従兄弟だ。普通じゃないのはある意味分かりきっていた。そして、その帝人の友人である彼ら2人が普通でなくても別におかしくはないのだろう。特に杏里から微かに漂う異質なもの特有の匂いを静雄の鼻は敏感に感じ取っていた。
…龍とかそういうのじゃねぇ…むしろ、セルティとかに近いのか?と、そう思いつつ、静雄はある意味この場で一番異質な気配を放つ存在に視線を戻した。

「…龍か」

臨也の妹たちと同じ、最強とまで言わしめられる種族特有の気配。
今までそんな気配を一切感じさせなかったはずの猫族の少年は、確かに今現在は龍族特有の匂いをさせていた。

「僕は猫です。ただ、龍の血を引いていて、少し特殊能力を使えるだけですよ」
静雄の視線に、帝人は相変わらず忙しなく指を動かしながらそう言って、苦笑する。
「僕には大した力はない。できるのは、情報の真偽を見分けることだけです。でも、」

そこで言葉を切って。
帝人は顔を上げて、静雄を見る。

「見つけました」

ダラーズの掲示板で情報を募り、その中から最も確実な情報だけを拾い出す。自分だからできることを、帝人は正しく理解していた。

「俺も見つけたぜ。たまたま見かけた奴がいた」
「私もたぶん、見つけました」

時を同じくして戻ってきた正臣と杏里の言葉に。
3人は僅かに顔を見合わせて、それから呼吸をそろえて同じ言葉を口にした。

「3人とも同じならほぼ確定だね」
「そうですね。私は罪歌の子供の人が偶然知り合いに聞いたって言っていただけなので、ちょっと確信がなかったから、良かったです」
「まあ俺も人伝だしな。確信はなかったけど帝人と杏里も同じなら間違いないだろ」

頷き合う3人の仲のよさが伝わってきて、静雄は自分にはほぼ無縁だがこういうのも悪くねぇなと思う。
とりあえず必要な情報は聞き出せた。これ以上ここにいて彼らの邪魔をするのも悪いだろうと、静雄はさっさと退散し目的地へ向かうことに決める。

「手間かけさせて悪かったな。今度何かお礼するからよ」
「気にしないで下さい」

静雄の言葉に帝人が3人を代表してそう言って。
それから、彼は小さく微笑んで自分の望みを静雄に告げた。

「臨也さんを守ってあげて下さい。あの人は強いけど、脆いところもある人だから」
それが僕のお願いです。

そう言って。
帝人は静雄の背を軽く押して、早く行ってあげて下さいと促した。










静雄の姿が廊下から消えるまで見送ってから。
正臣は長い尻尾をしゅるんと動かして帝人を振り返った。

「…なぁ帝人ー」
「何かな正臣」

ろくでもないことなら口にするなよという視線を向けるが、彼の親友は気にする様子もなく言葉を続ける。

「お前、これで良かったのかよ」

聞かれたくないことを聞かれた帝人は不愉快そうに眉根を寄せて、溜息をつく。
別に、帝人は臨也とどうこうなろうなどとは思っていなかった。ただ、淡い憧れのような感情を抱いていただけだ。にも関わらず、わざわざそれをつついてこようとする正臣を軽く睨んで、言う。

「…それを言うなら正臣だって同じでしょ」
「俺はいいのー。杏里がいるしー」
「あ、あの…」
「ちょ、園原さんは関係ないだろ!?っていうか、君沙樹ちゃんはどうしたのさ!?」
「あーはいはいそれはそれ!…それよりホントに良かったのかよ」

急に真剣な顔になられても困る。そう思いつつ、帝人は正臣の顔を見て、次いで隣の杏里の顔を見た。
どちらも心配そうな顔をして自分を見ていて、だから、さすがに誤魔化すことはできないなと諦める。

「僕の出る幕じゃないよ。静雄さんが、臨也さんをちゃんと守れるなら…臨也さんが笑っていられるなら、僕はそれでいい」

そう言って。だからこの話は終わりだと続けようとした帝人は、だが、正臣の向ける視線に結局話を終わらせることはできなかった。

「…何かなその目は」
「いやーうちの帝人くんは健気だなーと思ってさ」
「…元気出して下さい」
「え…や、あの?」
「大丈夫だ帝人!そのうちいいことあるさ!」
「きっと大丈夫ですよ」
「ちょ、園原さんまで何言ってるの!?」

同情の眼差しを両隣から向けられて思わず叫んだ帝人に。
友人2人はその慌てふためく姿を見て、楽しげに笑ったのだった。



※この話の来良組はそれぞれの立場とかお互いに知っている上に特に事件も起きないので非常にオープンで仲良しです。


1月21日(金)
text+1
textにひとつ追加。
連続で申し訳ないと思いつつ『嘘つきの恋』19話目です。R-18。





そろそろ短編のストックが切れそうです…。やーばーいー。ネタはある。書きたい話もある。でも時間はない!そんな感じでじりじりしております。とりあえずまたしても年の差ネタが再燃中。年下攻め好きなんだよ。大人の余裕を振りかざして見せつつ実は内心焦りまくってる臨也さんと子供だからこそ押せ押せなシズちゃんが好きなんだよ。あれ…?よく考えたら実はそんなに他の設定も変わらない気がしてきた…?






◆ケモノの王様 21
※けもみみパラレル小ネタ連載。


「園原さん」
帝人がそう声を上げるのを聞きながら、静雄は後ろを振り返る。
振り返った先、目が合った白い兎耳の少女は慌てたような表情をして小さく頭を下げた。

「あ、ごめんなさい」
お話してたのに、と謝られて。
静雄はクソと思いつつも首を振る。

「いや…」

少女がさらにもう一度謝ってくるのにさすがに気勢が削がれる。
「すぐ済む用件だから、ちょっと待ってくれ」
静雄の言葉に少女が頷くのを確認して、静雄は改めて帝人の方を見た。

「臨也の奴がどこにいるか知ってるか?」
「ええ、と…ここのところ何かやってるのは知ってますけど、具体的にどこにいるのかまでは…」
「おい、お前まだ臨也さんとつるんでんのかよ!?」
「いや、僕あの人の従兄弟だし、そもそも僕、正臣みたいに意気地なしじゃないし」
「ひどっ!さりげなく酷いぞ帝人!」

叫ぶ友人を軽くスルーして。
帝人は静雄の顔を見上げて言う。

「臨也さんは今九十九屋さんと一緒に行動しています」
「………」
「でもそれは、あなたを僕たちの事情に巻き込みたくないからです。それでも、臨也さんを探しますか?」

真剣な目でそう訊いてくる帝人に、静雄は迷うことなく頷いた。
「巻き込みたくねぇってのはあいつの理屈で、俺のじゃねえ」
例えそれが気遣いであったとしても、ただ黙って待っているなど静雄の性に合うはずがない。
どうせなら、完全に巻き込まれてしまった方がまだ気分的には安心なのだ。

「探すに決まってんだろ。あいつは俺のだ。あいつが危ねぇことに首突っ込んでんなら止めるのも俺の役目だし…なんかあった時に守るのも、俺の役目なんだよ」

きっぱりと言い切った静雄に、帝人は僅かに目を見開いて。
それから小さな苦笑を浮かべて、分かりましたと答えた。



※ここからラストまでは一直線ですよー。寄り道ルートはない!というか、あったら話が進まない!


1月19日(水)
text+1
textにひとつ追加。
『嘘つきの恋』18話目。今回と次回はぬるいけどR-18です。





誰だよ今週中に終わるかも、なんてのんきに構えてた奴。やるやる詐欺は勘弁してくださいそこ!そうそうそこの鏡に映ったあなたですよ!…とまあ冗談はさておき、締め切りが迫っています。でもそういう時に限ってネタが出てくるのはお約束。






◆ケモノの王様 20
※けもみみパラレル小ネタ連載。


「おい新羅、手前臨也の奴がどこ行ったのかは知らねぇよな?」
「さすがにそれはしらないけど」
「ちっ、携帯にかけても出やしねぇだろうし…」

苛々と不機嫌に尾を揺らす狼族の姿に、草食動物の本能でついつい僅かに後退りして。
それから、新羅は「そういえばさ」と思いついたことを口にした。

「臨也の従兄弟…竜ヶ峰帝人くんだっけ?彼なら何か知ってるかもよ?」
もちろん根拠などない。ただこれ以上苛々している静雄と一緒にいたくなかっただけだ。
そんな新羅の心情など気付くはずもなく、ぴくりと反応した静雄はああ、あいつかと頷く。

「まあ臨也の野郎の従兄弟だしな。何か知ってるかもしれねぇか…」
「うんうん。だから会いに行ってみたらどうかな?たぶんまだ学校にいるだろうし、僕はもう帰るからさ」
「…そうだな」

そうするか、と呟いて鞄を掴んで教室を出て行く静雄の背を見送って。
新羅は薄情にも、ごめん竜ヶ峰くん。でも俺は巻き込まれたくないから後はよろしく!頑張ってね!と心の中でエールを送った。








「あれ、ええと…平和島さん、でしたっけ?」
「ああ。…悪いんだが、ちょっと聞きたいことがある」
「あ、はい。どうぞ」

静雄の言葉に素直に応じた帝人に、隣にいた猫族の少年――木田正臣がおい!と慌てて止める。

「帝人!お前何考えてんだよ!この人誰だか分かってんのか!?」
「知ってるよ。臨也さんの婚約者だし」
「おいおい!頼むよホント!俺はできればあの人と関わりたくないの!知ってんだろ!」
「ああ…昔盛大にふられたんだっけ」

一応小声でそんなことを話す二人だが、耳がいい静雄には丸聞こえだ。
一部聞き捨てならない科白があったが、まあ今はいいと考え、静雄は改めて彼らに声をかける。

「悪いが急いでるんで、先に質問に答えてくれねぇか」
「あ、すみません。もう大丈夫です」

まだなにか言いたそうに口を開く正臣を無視して、帝人はくるりと振り返って答える。
と、その時。
「すみません。お待たせしました」
そう後ろから声が聞こえて。
静雄はまたか、と思わず低く唸ってしまったのだった。



※なかなか話を進められなくてイライラが増す静雄さん。
…あと、この話の帝人くんは結構黒いです。


1月17日(月)
text+1
textにひとつ追加。
同居パラレル設定です。





デュラ9巻はまだかーとそわそわしつつ作業中です。2月が待ちきれないです。そわそわ。
返信不要でコメント下さった方、ありがとうございます!頑張って更新したいと思います!






◆ケモノの王様 19
※けもみみパラレル小ネタ連載。


放課後。
呼び止めるまもなく教室を出て行ってしまった臨也を見送ってから。
静雄は大きく溜息をついた。

「静雄くん、溜息ばっかりついてると幸せが逃げるよ?」
「うるせぇ…」
「臨也が心配?」
「………」

ばさりとしっぽを振って、静雄は耳を不機嫌そうにねかせて新羅に向かって唸る。
それにやれやれという表情をしてみせて、新羅はでもさと呟く。

「臨也は慎重だけど、時々とんでもないことをしでかすからね」
ちゃんと見張っておかないと危ないかもよ、と脅す彼は表情こそ笑っていたが目は真剣だった。
「何を知ってる?」
「…噂だけど、最近けっこうヤバイ連中と頻繁に会ってるらしいんだよね」
「…………」

大したことじゃないって言ってやがったじゃねぇか。
新羅から知らされた情報に、ギリッと奥歯を噛み締めて。
静雄は低く獣の唸りを上げる。

「…あの馬鹿猫がッ」

絶対見つけ出して何してるのか吐かせてやると憤る彼に。
新羅は、もう一度、今度は声に出してやれやれと呟いたのだった。



※次でたぶん来良3人組が出てくるはず。っていうか、出てきてくれないと出番がなくなる危険が…!


1月15日(土)
text+1
textにひとつ追加。
『嘘つきの恋』17話目になります。





進まない〜と言いつつ作業中です。じりじり…


以下、拍手お返事です。お心当たりのある方は反転でどうぞ。
14日 はじめまして、いつも素早い〜の方
はじめまして。お返事が遅くなってしまい申し訳ございませんでした。に、日参ですか!?うわわ、ありがとうございます!嘘つきの恋、楽しんで頂けているようで嬉しいです。勢いだけで書いた話なのでそう言っていただけるとほっとします。
お気遣いありがとうございます。のんびりマイペースにこれからも更新していきたいと思っております。拍手&コメントありがとうございました!

拍手だけの方もありがとうございました!






◆ケモノの王様 18
※けもみみパラレル小ネタ連載。


「しーずちゃん」
声とともに後ろから抱きつかれて。
静雄は「おー」と応えた。
黒く細長いしっぽが視界の端で揺れるのを見つつ、口を開く。

「なあ臨也」
「なぁに?」
「手前、一体何してやがる?」

問いかけに、臨也はおやという顔をして見せた。

「大したことじゃないよ。シズちゃんにも迷惑かけたりしないし、もうすぐ終わるからさ」
「………」

静雄を抱き締める腕の力を強くして、臨也は笑う。

「大丈夫だよシズちゃん」
「…手前な」
「大好き」
「…………」

ああムカつく。そう言えばすべて片付くとか思ってんじゃねぇだろうな。
そう思って、振り返って睨んだ静雄の頬にちゅっと口付けて。
臨也はチェシャ猫の笑みを浮かべて、それから言った。

「という訳で、今日もシズちゃんと一緒に帰れないから」



※ここからさくさく進むといいんですが…


1月13日(木)
text+1
textにひとつ追加。
『珍獣の飼い方10の基本』の5個目になります。





ミラクル起きたよ!
というわけで、何とか無事収集しました(完全に予定日数はオーバーしてしまいましたが…)。でも先方さまに多大なご迷惑をお掛けしてしまった事実は変わりませんので、これからはもっと慎重に対応していきたい所存です。
とりあえずこれでやっと通常の生活に戻れます〜。まずは原稿の一部を片付けて、それから静誕SSにとりかかろう。






※小ネタ。パラレル。契約者15歳×使い魔。



――夜は優しく、誰も君を傷つけない。だから、おやすみ。




「――ッ!」
どうしようもない焦燥に苛まれたまま、飛び起きる。
呼んだはずの名は、声になることはなかった。
当たり前だ。
もう俺はその名前を覚えていない。
記憶の彼方、遥か遠い過去。
平和島静雄として生まれる前。遥か以前の、朧げな記憶。
幼い俺に囁く、優しい声。
――俺は君が好きだよ。
眠る寸前のぼやけた意識に届いた呟きは悲しげで。
――ねぇ、――。ここに居てよ。
俺の名を呼ぶ声は、どこまでも慈愛に満ちていた。
もう、顔さえ思い出せない、大切な―――
『――シズちゃん』
柔らかな声が思考を優しく遮る。
唐突に、思い出した。
ああ、そうか。
これさえ、もう既に過去の記憶なのか。
きれいに整った顔立ちの、にやりと悪魔の笑みを浮かべる男。
漆黒の髪と赤味の強い独特の瞳の、俺の使い魔。
手を伸ばして求めれば、仕方ないなぁと笑って差し伸べられる救いの手を、俺は知っている。
それが、今の俺と、あいつの関係なのだから。



「シズちゃん?」
起きたの?
首を傾げる仕草をぼんやりと眺めて、俺は目を瞬いた。
「どうしたの?」
ちゃんと寝ないと大きくなれないよー。
などとほざく野郎の頬を引っ張ってやろうとすれば、それを察したのか先手を打たれた。
抱き込まれて、思わず唸る。
「ガキ扱いしてんじゃねぇぞ、ノミ蟲」
「だってガキじゃん」
クスクス笑って開放するヤツの瞳は、きれいな赤。
その鮮烈な色に、自分を誇る。
自分の前以外では戦闘の際のほんの一瞬しか見せない色だ。
こいつの本質、こいつの存在の前提条件。
それを知ることを許されているのは、どんな功績より確かな俺の誇りだ。
俺はこいつと過去を共有し、もっともこいつに近いところに居るのだと知って安堵する。
ああ、分かってる。こいつは無様な独占欲だ。
「夜は優しく、誰も君を傷つけない。寝よう、シズちゃん。まだ朝は遠いよ」
「ああ…そうだな」
懐かしい言葉。
懐かしい声。
二度と出会えないと、出会える可能性さえ考えていなかった存在が、今ここに居る。
「大好きだよ、俺の王さま」
変わったのは呼称と関係。
こいつは当たり前のように俺を自分の所有だと主張する。
俺もお前もかつてとは名前を変えて、その関係すら大きく変わってしまった。
「馬鹿か、さっさと寝ろ」
「うん」
呆れた声で言えば苦笑された。
いい子だねと俺を撫でる手は記憶の彼方にかすかに残る昔のそれと変わらない。
「…おやすみ、俺のドラゴン」
ぽつりと呟くように告げてやれば。
綺麗な顔をした俺の使い魔は、酷く嬉しそうな微笑みを浮かべてくれた。
ああ、くそ。それ絶対確信犯だろう、手前?



※臨也も静雄もお互いを「俺の」と所有格をつけて呼ぶ話が書きたくて何かネタがないか古いファイルを漁った所、変な設定のを発見。
臨也は静雄の前世の人物の使い魔で、静雄はおちこぼれの魔法使い。何という中二病っぷりだ自分!


1月11日(火)
text+1
textにひとつ追加。
『嘘つきの恋』16話目。





…失敗の一件…ストレスで死にそうです…。ダメ元で先方に聞いてみてますが、馬鹿をやらかした自覚はあるので…うう〜ん…。ダメだった時の対策を考え中です。というわけで、非常に申し訳ないのですが身辺が落ち着くまで小ネタはお休みします。…更新頻度は…ストック数を見ながら2〜3日に1回でやっていきたいと思っています。(←新作書く心の余裕がない)


1月9日(日)
text+1
textにひとつ追加。
シズ→イザで、たぶんシズ(←)イザ。つまりシズイザ未満。





取り返しのつかない失敗をしたことが判明。どうにかならないか奔走していますが…たぶん無理そうです。ちょっとどころでなく鬱です。どうしたものか。






※本日も小ネタはお休みです。


1月8日(土)
text+1
textのotherにひとつ追加。
モブ臨でR-18。2日に身内でやった絵チャの夜中のテンションで書いたものです。とりあえず注意事項満載なのでちょっとでもダメそうだと思ったら迷わず引き返して見なかったことにして下さい。…っていうか、家に帰ってきたその日に何やってんだって感じですね…





家に帰ってきたら注文してたヘッドホンが届いてました。密閉型のいつもより少しだけお高いやつ。…なるほど+○千円の価値はありますね。というか少しごついですが非常に満足です。こういうやつでBluetoothのがあるといいのになー。…あ、明日も普通に通常更新ありますんで!






※本日は小ネタはお休みです。


1月7日(金)
text+1
textにひとつ追加。
『嘘つきの恋』15話目になります。






例によって明日と明後日の夜は原稿と向き合うことになりそうです。昼間はお出かけですが。
冬コミの薄い本を合間に堪能しつつ、頑張って作業したい所存です。結局無配コピー本はでなかったしねー。そのうちそのうち余裕がある時、とか言ってると結局出ないで終わるんですよねー。たまにはイベント行きたいなぁ…。






◆あるいは一つの可能性
※本編終了後。


「臨也くん臨也くん!」
きらきらと目を輝かせて臨也を振り返ったサイケに。
臨也は何だと首を傾げた。

「これおれの?おれの?」

これこれと指差す先はパソコンの画面。
そこには、ひとつソフトが起動されていた。

「サイケ、勝手にひとのファイル開けちゃだめだよ」
「だって気になったんだもん!」

臨也が咎めてもどこ吹く風。
サイケはね!ね!と声を上げる。

「これおれのだよね?」
「…ああそうだよ。君の。でもまだ未完成だからだーめ」
「えー!だってすごくいいのに!」
「もう少し調整したらね」
「うー…」
「そんな顔してもダメ」
「むー」

ぷうっと頬を膨らませて。
サイケは渋々といった体で頷いた。

「じゃあ、できたらすぐ教えてね」
「はいはい」
「はいは一回だよ、臨也くん。あ、これ、つがるのだ」

またカチカチとマウスを操作して勝手にファイルを開けたらしい。
サイケはヘッドホンに手を当てて、流れ出す曲に耳を傾けている。

「臨也くんも歌えばいいのに」
こんなにきれいな曲をつくれるのに、と呟く彼に。
臨也は嫌そうに眉を寄せた。
「…俺は歌唄いじゃないからいいんだよ」
歌うのが好きなわけでもないしねと言って、臨也は先程までやっていた作業に戻る。
「もったいないなあ…」
呟きつつも、臨也が決して歌いたがらないことを知っているサイケはそれ以上話を振るのはやめておく。
そして、代わりに完成した曲を津軽と二人で練習する日を思い描いて、幸せそうに笑うのだった。



※そういえば、サイケに歌わせてなかったなーと思いつつ。…結局歌ってないですけどね。
『猛獣』の臨也さんは自分で作曲も出来ます。が、決して自分では歌いません。むしろ、サイケと津軽のためじゃなきゃ曲自体作ろうなどと考えもしないでしょう。


1月5日(水)
text+1
textにひとつ追加。
よく分からないシズイザっぽい話…。本当によくわからないですよ…?





新年早々にやったエログロ絵チャ(…新年から何やってんだという感じですが…)の産物をどこに格納するかで迷ってます。モブイザなのでotherに格納するのが正しいんだけど、傾向的に表に置くのはちょっとどうかと思うのです。やっぱり隠しかなぁ…。絵の方は…うん…さすがに自重します。少なくともこのサイトには置けない内容でした。






◆ケモノの王様 17
※けもみみパラレル小ネタ連載。


静雄が帰った後。
臨也は窓からその背を見送りつつ、携帯を取り出して電話をかける。

「やあ、久しぶり」

電話越しの久々に聞く声に眉を寄せて。
小さく息を吐き出して。
「帰ってきてたなら教えてくれても良かったんじゃないの?」
そう不満げに口にしても、相手はのらりくらりとかわすだけだ。
この男は昔からそうだ。

「…ねぇ、九十九屋。今から会える?」

警告の色を混ぜた声音で切り出す臨也に、電話越しの相手――九十九屋真一は、楽しげに笑って了承する。
あの場所で待っていると告げられて、うん、と応えを返して。
臨也は、険しい顔をしたまま携帯の電源を切った。



※短いですが今回はここまで。本当なら15と16の間に入る部分かもしれませんね…これ。


1月3日(月)
text+1
textにひとつ追加。
『嘘つきの恋』14話目になります。
あとは予定通りmomeログを格納しました。





今日でお休みが終わりなのでちょっとテンションが低い管理人です。今月はハードスケジュールなので頑張りたいと思います。






※小ネタはお休み中です。


1月1日(土)
企画+2
企画部屋にSSふたつ追加。
大晦日と元旦。どちらも何と言う事もない即席小ネタです。
momeログ格納は3日にでもまとめてやろうと思います。





あけましておめでとうございます。
まだ帰省中ですが、ちょっとネットできる環境な場所へ行ったので回線をお借りして更新。…とは言っても即席ですが…。
今年ものんびりまったり更新していく予定ですので、お付き合い頂けましたら幸いです。
それでは、今年もよろしくお願いします!






※小ネタはお休み中です。