2010年8月 Diary
過去ログ
+ 5月分 + 6月分 + 7月分 +
13.7% Diary
基本まったり更新です。
8月31日(火)
text+1
textにSSひとつ追加。
ストックが少なくなってきているのでしばらく更新は二日に一度くらいになりそうです。





無事帰ってきました〜。行き帰りで計6回も飛行機に乗ったので暫く乗りたくありません…。今やっと用事が終わってこれから寝ます。やっぱり30日に更新は無理でしたね…



8月27日(金)
text+1
textの『珍獣の飼い方10の基本』にSSひとつ追加。
静雄さんはすっかり保護者状態です。ここからはぜんぶ繋がった話になる…はず。





本日より30日まで不在のため更新できません。
30日は眠さに耐えられたら更新したいですが、正直帰る時間が21時過ぎなので怪しいです…。とりあえず旅行中は来神組の修学旅行を妄想してる気がします。沖縄!あ、フリリクも頑張ります。お待たせしてしまってすみません!






◆あるいはひとつの可能性 26
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「ここどこかなぁ…」
「出口に近づいている気はしないな」

見つかっては逃げてを繰り返しているうちに、どうやら奥の方へきてしまったらしい。
そう思うがまったく窓のない廊下ではどちらへ向かえばいいのかわからなかった。

「つがる、どっちへ行けばいいと思う?」
「…そうだな」

津軽は答えようとして――微かに聞こえた音にサイケと顔を見合わせた。

「ね、これってもしかして」
「静雄、だな」

自分たち以外にこの建物で暴れ回る人間など、他に思い浮かばない。

「…臨也くんもいるのかな?」
「少なくともこの建物にはいるはずだな」
「だよね。だったら、とりあえずシズちゃんと合流しよっか」
「ああ」

そうするか、と津軽が頷いて。
二人は破壊音のする方へ進むことにした。



※次回で(たぶん)合流。


8月26日(木)
text+1
textにSSひとつ追加。
『猛獣』設定で小話。





ぱちぱち&コメントありがとうございます!励みになります!
時間があれば明日も更新してから出掛けるつもりです。が、予定は未定です。すみません…。






◆あるいはひとつの可能性 25
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「派手にやってるなぁ」

本当に真正面から入ったらしい静雄が暴れる音に、臨也は大きく溜息をついた。
それを隠蔽するのが自分であることを考えるとそれも仕方ないというものである。

「しかし、こんなに簡単に侵入できると拍子抜けだね。まあ、できれば俺は派手に動きたくないからいいけど」

呟きつつ棚を漁っていた臨也は、これかな、と言って中から書類の束を引っ張り出した。
内容を読みながら記憶と照合する。

「ん、間違いないね」

予定通り目的の物は手に入れた。
あとは二度と手出しできないように脅すなりなんなりすればいい。

「誰だ!?」
「あ、見つかったか」

しかし、

「いきなり拳銃は物騒すぎないかな?」

一応ここ日本だよ?と両手を挙げて言う臨也に、相手は自身の優位を確信した笑みを浮かべて問う。

「下の野郎の仲間か?」
「さあ。そうだな…強いて言うなら、今の俺は回収屋さんってとこかなッ」
「!」

まさか相手も銃を持った人間に突進してくる馬鹿がいるとは思わなかったのだろう。
床を蹴って直進した臨也に一瞬対応が遅れる。そして、臨也にはそれだけの隙があれば充分だった。

「甘いなぁ君。油断大敵ってやつだ。世の中何が起きるかわからないんだから、殺せる時に殺すべきだよ?」

喉元に押し当てられたナイフに。
男は何が起きたのかわからないながらも動けば危ないことだけは理解したらしい。
青ざめた顔に笑って、臨也は相手の手首を握る指に力を込めた。

「ひ、」
「叫ばないでよ、煩いから」

静雄のように骨を折るほどの力はないが、臨也も決して非力なわけではない。
ちゃんと狙った場所に力をかけさえすればいいのだ。
ごり、と骨がずれた音。

「――ッ」
「煩い」

泣き叫ぶ寸前に、手刀で気絶させる。
ぐらりと傾いで沈んだ身体を受け止めて。
ごとりと落ちた拳銃を眺め、臨也はさてどうするかな、と考えた。



※裏でこそこそする臨也さん。


8月25日(水)
text+1
textにSSひとつ追加。
猛獣設定(来神時代)の続きものの7話目になります。





昼間に急に話を思いついて書きたい〜と言っていました。手を離せないときに限ってネタを思いつくのはなんでなのでしょうか…。あ、切羽詰ってるからとか?脱線とか逃避とかそういうものなのか?
今日頑張ればお休み!一日頑張ってきます!…でもそろそろ9月の予定が出そうですがどうなるのかなー怖いなー






◆あるいはひとつの可能性 24
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「ひぃっ」

ガタガタと震える腰を抜かした男を睨みつけ、静雄は唸る。
正面玄関から臨也に言われるまま馬鹿正直に乗り込んだ彼は、なかなか見つからないサイケたちに苛立ちが募っていた。

「だからよぉ、手前らが連れてった俺と同じ顔した奴ともう一人はどこにいるんだって聞いてんだよ」
「し、しらな」
「だったら手前に用はねぇ」

もはや向かってくる気力もない男は無視して、ちっと舌打ちしてさらに奥に進むことにする。
しかし、

「どこも似たような感じだな…」

まるで病院か何かみてぇだなと考える。
だが、臨也曰く動物的な勘の持ち主である静雄は自分が迷う可能性は考えていなかった。

「どこにいるんだあいつら」

臨也に対するものほどはっきりとはしないので確実とは言えないが、結構歩き回ったがどうも近くにいる感じがしない。
あてもなくうろうろするのは効率が悪いが、どこにいるかわからない以上は進むしかなかった。

「しかし臨也の野郎、何してやがんだ」

これでもし高みの見物なんかしてやがったら殺す。
そう呟いて、静雄はサイケたちがいる気がする方向に向かって敵を倒しつつ前進を続けることにした。



※じわじわ前進中な静雄さん。再会まではもう少しなので頑張って下さい。


8月24日(火)
5000hit+1
フリリク企画にSSひとつ追加。
匿名さまリクエストの「ある日突然臨也が女の子になって静雄と1日過ごす話」です。タイトルが決まらず仮でつけたもののままです…。本番までしてませんが一応R-18。





ぱちぱち&コメントありがとうございました!
昼間はまだ忙しい日々を送っております。でも明々後日から遅めの夏休みをとるので頑張りますよ!とりあえず夏コミで買ってきてもらった本を読みたいですが…それも来月かな…






超短文7題10−6 我慢


「シズちゃん、ストップ」
「…」
「これ以上はダメ。認めない」
「…手前な」
「やだ」
「………」

はあ、と盛大に溜息をついて。
静雄は臨也から手を離す。
毛を逆立てた猫のような今の臨也に手を出せば、爪ならぬナイフを突き立てられて逃げられるのはわかりきっていた。

「…俺の忍耐だって限界はあるんだぞ」
「わかってる。でも、まだ無理」

すすすっとさりげなく(もないが)距離をとる臨也。
それを見て静雄はわかったわかった今日はしないと約束した。
彼が最後の一線を越えさせてもらえるのは、まだまだ先のようである。



※忍耐の日々を送る静雄さん。


8月23日(月)
text+1
textにSSひとつ追加。
シズちゃんが禁煙を試みる話です。実は結構こういう何番煎じだよと言われそうな話が好きだったりします。が、絶対ネタが被ってそうで怖いんですよね…





金曜日の夜以降なんだか眠い時間が長くなってます…。ちょっと眠さに耐えられそうにないので小ネタは余裕があれば昼間に追加することにします。…年々夜更かしが辛くなってるのはやっぱり年なんですかねぇ。



8月22日(日)
text+1
textにSSひとつ追加。
暴力表現注意。殺伐を書こうとして玉砕した話です。んー…ただのDVシズちゃんな話だと言った方がしっくりくる…かも。





ううう、朝早いのに昼頃まで寝てたせいで眠くないです。どうしてくれよう…。明日は朝7時から草刈りです。ちょっと泣きたいです…

ぱちぱち&コメントありがとうございました!
拍手お返事(心当たりのある方は反転してどうぞ)
>ぱん田さま
ご感想ありがとうございました!素敵と言っていただけて嬉しいです。確かにシズちゃんがベースギターなのは萌えですね!この脳内の映像がそのまま文章にできたらいいのにと本当に悔やみます…。ちゃんとバンドしてない話になってしまって本当にすみませんでしたm(_ _)m
共同作業と無縁そうな彼ら(ドタチン以外)がみんなでわいわいやってるのを想像しながら書くのがとても楽しかったです。
素敵なリクエストありがとうございました!


ぱちぱちだけの方もありがとうございました!






超短文7題10−5 執心


「…あいつらまたやってんのか」
「ほんとよく飽きないよね」

遠くの方から聞こえる臨也に向けられたのだろう罵声に。
門田と新羅は顔を見合わせ苦笑した。

「放っておくのが一番か」
「まあ誰も間に入れないし、入ってケガするのはイヤだしね」

くすくす笑って新羅はあと1時間くらいしたら見に行くかな、と考える。
それまでは誰も邪魔しようのない鬼ごっこを楽しめばいいのだ。

「まるで『二人だけの世界』だね」
「…面倒な奴らだ」

やれやれと首を振る門田に、新羅は「本当にね」と頷いた。



※ケンカップルを(生温い目で)見守る二人。


8月21日(土)
5000hit+1
フリリク企画にSSひとつ追加。
ぱん田さまリクエストの「来神組がバンド組む話で、歌ってる臨也がえろくてムラムラしてまう静雄」です。付き合う前の二人で書かせていただきました。しかも肝心な演奏シーンはないというダメッぷりです。何度書いてもそれっぽくならなかったのです、ごめんなさい…。





昨晩は帰るのが遅すぎて更新できなかったです…すっごい眠かった…。






◆あるいはひとつの可能性 23
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「…しつこいな」
「うん」

何とか追跡を振り切ったサイケたちだったが、いまだ建物から逃げ出すことには成功していなかった。
監視カメラの死角に潜り込んで息を整える。

「つがる、大丈夫?」
「ん?ああ、大丈夫。折れてないみたいだ」
「良かった…」

でもあまり無理はさせたくないな、とサイケは脱出経路を考えながら思う。
静雄と違って鍛えられていない津軽は怒りで怪力を発揮した場合、骨折の危険がある。それを、知識として教えられているサイケとしては無理はさせたくなかった。

「俺が、なんとかしないと」

ぐっと、右手のナイフを強く握る。
なんとかこの建物から逃げ出すか、あるいは臨也たちが到着するまでしのぐか。
どちらにせよ、サイケは己の持てる全力を尽くすと決めていた。

「つがる」
「どうした?」
「俺ね、つがるが大好きだよ」
「…サイケ?」

だから絶対守るから、と心の中で呟いて。
サイケは「行こう」と津軽を促した。



※話がようやく中盤に差しかかりそうです。考えてるとこまで書くとするとあとどれくらいかかるのか…


8月20日(金)
text+1
textにSSひとつ追加。
イザシズで事後のとくに何ということもない話な上にすばらしく短いです。





ぱちぱち&コメントありがとうございました!
しかし本気で時間がない生活送ってます。ううう、頑張れ自分、月末は沖縄だ!と言い聞かせて何とかやってます…。

沖縄と言えば告知するのを忘れていたのですが、今月は27日〜30日まで不在なのでその間は更新できません。30日は帰宅して元気なら更新したいと思っていますが…いつも死にかけで帰還するので自信がないです。ごめんなさい。





◆あるいはひとつの可能性 22
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「じゃあ、シズちゃんは先に真正面から乗り込んでね」
「あ?手前はどうすんだよ?」
「俺はシズちゃんにはできない工作をするの」
「………」
「あ、今またろくでもないあくどいことしようとしてるんだろって思ったでしょ?そうでしょ?ひっどいシズちゃん!俺は俺だからできる最善のことをしようとしてるのに!」
「…うぜぇわかった好きにしろ任せる」
「その言い方気にいらないなぁ」

子供のように拗ねる男に付き合っていては日が暮れる。
そう判断し、静雄はさっさと歩き出した。
目的地はすでに教えられているので問題はない。

「ねぇねぇシズちゃん」
「…なんだ」
「俺、新羅にサイケたち返さないって啖呵切っちゃった」
「…あー、あいつらって帰さないとまずいのか?」
「ん、本当は預かっただけだからね。でもさ、俺はもう帰さないって決めたから」

きっぱり言い切って、いいよねと訊く臨也がすでに決めているなら、それはもう静雄には覆しようがないことだ。
事後承諾かよと思うが、二人を帰さないことに異論はない。
静雄にとってもあの二人はもう家族同然だった。

「…そこまで大事にしてるならよ」
「うん?」
「もう少し…ああいい、なんでもねぇ」

無駄だ、と口を噤む。
臨也の愛がとことん歪みきっていることは自分が一番よく知っている。
まあ、こいつに愛されたのが運の尽きだと思ってくれ。
静雄は首を振って、じゃあ首尾良くやれよ、と臨也に声をかけた。



※すでに臨也の性格矯正は不可能だと諦めてる静雄さん。


8月19日(木)
text+1
textにSSひとつ追加。
来神時代シズイザシズで夏の話。同じ時期に書いてたんで一部携帯版拍手とかぶってます。今年の夏話はこれでラスト。





ぱちぱち&コメントありがとうございました!
今日は時間がないので小ネタはお休みです。すみません。


8月18日(水)
clap+3
拍手お礼を差し替えました。今回は余力がなくて3つです。
連作9、10話目と臨也17歳⇔24歳入れ替わり話の前編になります。全て続き物です…すみません。
前のお礼はログに格納しました。





なんか粗が…という感じですが拍手を変更。結局、連作は正式に付き合うまで行き着けなかったのでその内追加したいと思います。ここまでお付き合い下さった方々、ありがとうございました!






◆あるいはひとつの可能性 舞台裏1
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「ねぇ臨也、君一体どういうつもりなんだい?」
『どうって何が?』

にやにや電話越しに笑っているだろう相手に、新羅は苛立ちを隠さぬまま問う。

「サイケたちにインストールしたプログラムと、後は、わざと攫われるのを見過ごしたことだよ」
『別にわざとじゃないよ?いつ動くかわからないから少し様子を見てただけで』
「…君は、サイケたちを可愛がっていると思っていたんだけどね」
『うん。可愛がってはいるよ?』
「じゃあなんで――」
『確かめたいのさ。津軽はシズちゃんとよく似てる。でも、サイケと俺は少なくとも表面上はかなり違うよね?』
「……」
『もし、危機的状況に陥った時、サイケがどんな行動に出るのか。あるいは何を危機的状況と判断するのか。興味深いと思わないかい?』

くつくつと笑う声が聞こえて、新羅はうんざりした。
やはりこの友人の性格は最悪だ。反吐が出る。

『二人に組み込んだプログラムは基本的には自己防衛用だよ。ただ、その発動条件がちょっと特殊なだけ』
「発動条件は、」
『津軽は“怒り”、サイケは“危機的状況”。二人にはサイケの発動条件は“津軽への感情が一定の数値を超えた場合”だと認識させているけどね』
「なんでか訊いてもいいかな」
『そのほうが面白いことになりそうだから』

やはり性格は最悪だ。

「ねぇ臨也、僕は君が人間以外に興味を持つとは思わなかったから彼らを預けたんだけど?」
『知ってる。…でもさ、新羅』
「なに?」
『俺は、あの子達は充分人間だと思うよ?…だから』

一呼吸の間を置いて。

『あの子達はもう返してあげないよ』

低く心底楽しげに、歌うように言い切った“怪物”に。
新羅は「そう」と呟いた。

「…君、本当に二人が大事だったんだね」
『何をいまさら!大事じゃなきゃわざわざ契約を持ち出したりなんかしないよ?俺たちは』
「そうだね」

そうだった。失念していたよ。
呟いて、溜息をつく。
どうやらあの二人は静雄に向けているような、そんな厄介な愛を注がれる対象になってしまったらしい。
新羅は、これはもう回収は無理だろうねと思い、研究所に二人が戻されないことに少し安心した。
研究対象である彼らが研究所に戻されれば決して幸せにはなれないだろうから。
だったらまだ、臨也の元にいる方がいくらかは幸せだろう…たぶん。

「…あまり苛めると嫌われるよ?」
『苛めてないよ、愛してるだけ』

君の愛は、人類愛でもそうでなくても性質が悪いんだよ。
そう思って溜息をついて。
新羅は臨也に歪んだ愛を注がれる憐れな二人の無事を祈ることにした。



※回収できるかわからないけど伏線を仕込んでみるための回。


8月17日(火)
text+1
textにSSひとつ追加。
猛獣設定(来神時代)の続きものの6話目(+α)になります。





15日に引き続き結局日中はずっと外出してました。せめてこれだけは、と見直しはかけました。それくらいしかできなかったです…。

拍手お返事(心当たりのある方は反転してどうぞ)
>バケツプリン〜の方
バケツプリンは本当にバケツで作ります。昨日の話の時は耐熱のプラスチックバケツを使いました。後一歩だったのですが、自重に負けて潰れてしまったのが残念でなりません…もう少し固く作るべきだったかと後悔しました。(ホント何やってるんだ)







◆あるいはひとつの可能性 21
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「臨也!」

がんっと盛大な音を立てて玄関の扉が吹き飛ばされる。

「やあシズちゃん。これで通算何回目だっけここのドアを壊すの?」
「うるせぇ!んなことよりこれ何だよ!?」
「うん。見たまんま、サイケからのエマージェンシーコール」

にこやかに言われてさらに頭に血が上りかけるが、静雄は深呼吸してそれを抑え込んだ。
さっきよりは静かになった声で問う。

「何が起きてる?」
「サイケたちが浚われたみたいだよ。それはサイケからの信号を君の携帯でも受け取れるようにしておいただけ」
「…っ、ならすぐ助けにいかねぇとっ」
「うーん…そうだね。そろそろ行ったほうがいいかなぁ」

どこかのんびりとした口調の臨也に、静雄は不審気な顔をした。

「ちょっと待て。手前まさかもっと前から知ってたのか?」
「そりゃ、少なくとも君がわざわざ池袋から新宿に来る間ここで待ってたわけだしね。電話すればいいのに」
「…動転してたんだよ」
「ふうん」
「ずいぶん落ち着いてるじゃねぇか」

そうかい、と呟いて視線をパソコンに戻すと、苛立った声。

「そりゃ、保険が発動しちゃった以上急いでも仕方ないしね」
「保険…?」
「そう。君と俺の戦闘パターンをプログラム化して二人にインストールしてあったんだ。強いて心配するとしたら、やりすぎてなきゃいいなぁってくらいかな?」
「……」

ぽかんと間抜けな顔を晒した静雄を笑って、臨也はそこでようやく行動を起こす素振りを見せた。
パソコンの電源を落とし、机の上に放置されていた携帯を手に取る。

「でも保険は保険だ。あの二人は俺たちと違って鍛えてるわけじゃないから明日からしばらく入院だね」
「…手前、あとで一発殴らせろ」
「あははっ、嫌だよ!」

一瞬拳を握った静雄だったが、今はサイケたちが心配だったのか手を下ろして行くぞと促してきて。
それに「はいはい」と返事して、臨也はようやく腰を上げた。



※じゃあ、反撃を開始しようか。


8月16日(月)
text+1
textにSSひとつ追加。
プリンの話…ではなくプリンの夢を見た臨也さんの話。
…これ書いた時、前日にバケツプリン(小)に挑戦して失敗したんですよね…我ながら何やってるのか…(遠い目)





ただいま拍手お礼を考え中。まだ脳内構想段階なので書き上げるまでは時間がかかりそうです…
15日は結局一日外に出てて何もできなかった!!今日はどうかな、せめて書いた話の見直しかける余裕くらい欲しいです。






◆あるいはひとつの可能性 20
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「…やっぱり性格悪いな、あいつ」

ぽつりと呟いた津軽に、サイケは目を瞬かせた。
誰のことを言っているのかと考えて、ああ、と思い至る。
別にサイケだって馬鹿ではない。臨也が組んだプログラムが相当にひねくれていることくらい知っていた。

「あ、そうだった。臨也くんに連絡っ」

ようやく少し冷静になった頭が臨也の言葉を再生させて。
サイケはもう一つのプログラムを起動させる。
かすかに発信音。無事に起動したことを確認して息を吐いた。

「これで、たぶん大丈夫」

臨也が保険としてインストールしたプログラムはまだ働いている。
たぶん大丈夫だ、と判断して。
サイケはナイフを構え直した。
隣の津軽も一見ただ立っているだけに見えるが、ピリピリとした怒気を発して臨戦態勢にあることは分かる。
見覚えのある姿にサイケは僅かに首を傾げて。

「あ」

と小さく声を漏らした。
今の津軽は臨也と喧嘩している時の静雄にそっくりだったのだ。
つまり、臨也はサイケには自分の戦闘パターンを、津軽には静雄の戦闘パターンを、それぞれ組み込んでいたわけだ。

「…臨也くんらしいなぁ」

そう呟いて、サイケは向かってくる敵にナイフを一閃した。



※順応性は津軽よりサイケのが高いです。


8月15日(日)
5000hit+1
フリリク企画にSSひとつ追加。
匿名さまリクエストの「来神静臨で卒業式に臨也が静雄に告白する話」。両片思い設定です。





15日と16日は休みです。嬉しいなぁ!
でも結局忙しいんですよね〜。

拍手お返事(心当たりのある方は反転してどうぞ)
>同居設定〜の方
楽しんで頂けたようで何よりです。同居パラレルは「周囲には付き合ってるようにしか見えないのに実際は付き合ってない」二人の話が書きたくて始めたので、そのあたりに反応していただけて嬉しいです!またお暇な時にでも見に来てやってください。コメントありがとうございました!







◆あるいはひとつの可能性 19
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「どいてください。俺たちはうちに帰ります」
「そう言われて素直に退くと思うのか?」
「思いません。だから、じゃまをするなら、実力行使、します」

酷く、違和感があった。
少なくとも津軽はそう感じた。

「サイケ?」

問いかけるように口にした名にも、サイケは視線を寄越さない。
ゆっくりした動作で構える、その姿に見覚えがあった。

「…臨也、か?」

一度だけ出かけた先で見た、臨也と静雄の喧嘩。
本気で殺し合っているとしか思えないそれの中で、臨也がほんの一瞬見せた動きと同じだった。

「捕まえろッ」

複数の人間に襲われても、サイケは動じない。
臨也のように口元に笑みを受けべることはないが、ただ当たり前のことのように迫ってくる人間に攻撃を仕掛けるだけだ。
サイケがサイケでなくなるような錯覚。まるで臨也を見ているような錯覚に津軽はどうしようもない焦燥を覚えた。
津軽は今のサイケが好きなのだ。少なくとも臨也と同じ方向に変わってほしくなどない。
と、男の一人がサイケの背後から攻撃を仕掛けようとしていて――

「っ」

ほとんど反射的に、津軽はその男に殴りかかっていた。
相手を力任せに殴り飛ばして、軋むような痛みに顔をしかめる。

「つがる!?」

吹き飛んだ男に一瞬ビクリとして。
サイケが慌てて振り返る。
その表情に先程までの違和感はない。いつものサイケだった。

「つがる大丈夫!?」
「…大丈夫だ」

男たちをナイフで威嚇しながら駆け寄ってきたサイケにほっとしつつも、怒りはまだ収まりそうになかった。
津軽の感情、特に怒りの沸点は低い。サイケに関することでなければ、怒るなどまずあり得ないほどに。


「…くそ、そういうことか」

納得する。
今、津軽の頭の中に流れるプログラムが、サイケと自分の異変の理由を教えてくれていた。


臨也が二人の中に組み込んだプログラム。
自己防衛のためのはずのそれは、その役割とは真逆の発動条件が設定されていた。
サイケの場合は津軽へ向かう感情が一定の数値を越えた時に。
津軽の場合は、怒りを爆発させた瞬間に。
つまり、お互いがいなければ発動しないようになっていた。


「…やっぱり性格悪いな、あいつ」

どうせ今頃は事務所かどこかでひとり楽しげに笑んでいるのだろう男に帰ったら文句の一つでも言ってやろうと決めて。
津軽は今は怒りの感情をすべて『敵』に向けることにした。



※今はこの状況を切り抜けるのが先決。

津軽は臨也が嫌いなわけじゃありません。
ただ性格が悪い奴だと思っているだけです。


8月14日(土)
text+1
textにSSひとつ追加。
いくつか書いた静+臨同居パラレルの話と同設定。







結局昼間は暇がなかったです…。なんでこう忙しいのでしょうかねぇ…。
フリリクが8月中に全部出来そうにないこの現状を何とかしたい…。とりあえずやっと1個見直しかけるとこまで行きました。が、1日1個でも間に合わない…。






◆あるいはひとつの可能性 18
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


津軽と二人で連れて行かれた場所が何処かなど、サイケには知りようがなかった。
頭の中はパニック状態で助けを呼ぶということさえ思い浮かばない状態で。息を詰めて怯えるサイケはただ津軽にしがみついているだけだった。
だが、事態は思わぬ――そしてある人物にとっては予想通りの――方向へ動き出すことになる。

「つがるっ」
「くそっ離せ!」

車で連れていかれた先、そこで二人が別々の場所へ連れていかれそうになった時。
それは起こった。

「ッ」

どくん、とサイケの頭の中で鼓動に似た音が一度高く響く。
それが合図だった。
ぷつり、と何かが切れる感覚。
サイケの手は自然にコートのポケットに滑り込み――

「ッ!?」
「なっ!?おいっ確認してなかったのか!?」
「まさかこいつらが武器持ってるなんて思わねぇだろうが!」

取り出されたナイフの一閃に、サイケにとっての『敵』が慌てふためく。
サイケは津軽と引き離されたくなかった。
引き離されることに強い焦燥を覚えたことが、サイケの中のプログラムを起動させる引き金だった。

「つがる、逃げよう」
「サイケお前…」
「逃げよう」

手を引いて走り出そうとして、だがそれは銃口を向けられたことで阻まれた。

「どいてください。おれたちはうちに帰ります」
「そう言われて素直に退くと思うのか?」
「思いません。だから、じゃまをするなら、実力行使、します」
「サイケ?」

どこか不安そうな津軽の声を聞きながら。
サイケは頭の中に流れるプログラムに従って、ゆっくり戦闘態勢をとった。









「ああ、やっぱり動いたか」

くつりと笑って、臨也は携帯を取り出す。
サイケがあるプログラムを起動した場合にのみ発信されるようにしておいた信号。
それを受け取った携帯を机の上に置き、鳴り出したもう一つの携帯を手に取る。
発信者は新羅だ。

「やあ新羅」
『ごめん臨也!サイケたちが連れ去られたみたいなんだ!』
「知ってるよ」
『知ってるって、君まさかっ』
「失礼だな。俺は何もしてないよ。ただサイケのプログラムが動き出したから分かっただけ」

ムッとして言えば、電話越しの相手は怪訝そうな声を出した。

『…プログラム?』
「うん。二つ仕込んだうちの一つ。保険の方だったのがちょっと問題だけど」

低く笑って臨也はパソコンを操作する。
映し出された地図を眺め、小さく溜息までついて。
彼は至極普通の声音で告げた。

「大丈夫だよ、新羅。津軽がいれば暴走の危険はないはずだから」

それですべてを察したのだろう。
悲鳴じみた叫びが電話越しに響くのを聞きながら。
臨也は「問題はサイケが俺たちに連絡するのを覚えてるかだよねぇ」と呟いた。



※必死になるあまり暴走気味なサイケと戸惑う津軽、そしてどこまでも黒幕体質の臨也さん。


8月13日(金)
text+3
textに携帯版拍手のログを3個追加。






買い付け班が現地入り…っていうと何だと思いそうですが、なんてことない夏コミ参加の友人連中が行ってるってだけの話。今回はデュラ中心にギアスとハルヒとゲーム関係のとを買ってきていただく予定。ほんと毎度毎度お世話になります。ありがとうございます。






明日はかなり早いので小ネタはお休みです。
昼間余裕があったら追加するかもしれません。


8月12日(木)
text+1
textにSSひとつ追加。
イザシズのお題1個目になります。

追加でtext+1
猛獣設定(来神時代)の続きものの5話目も更新しました。
>追記  リンク修正しました。ご報告ありがとうございました!






週半ばですが…もう、限界…お盆休みはまだか…。






超短文7題10−4 混迷


折原臨也という存在がいなければ、と思うことはよくある。
というか、実際問題いなければいいと思う。
そうすれば間違いなく、静雄の胸中は静かで平穏なものになるだろう。
だが、それが分かっていても。
折原臨也のいない世界を想像した時、静雄の胸に宿る感情は安堵ではないのだ。
確かに臨也がいなければ平和になるかもしれない。少なくとも、静雄の周りのいざこざは確実に減るはずだ。
それはとてもいいことだと理解している。
だが、それでも。
もし、臨也のいる世界といない世界を選べと言われたならば。
静雄は自分が臨也のいる争いにまみれた世界を選ぶ確信があった。
完治不能の病を患っている自分に、もはや笑うことしかできない。

「つくづくやっかいなもんだな、恋ってのは」

隣でセルティがPDAを取り落としたが。
静雄はそれに気づくことすらなくぼんやりと、本気で憎らしいのに何故か酷く愛しくもある想い人のことを考えた。



※恋は病なのです。


8月11日(水)
text+1
textにSSひとつ追加。
『カリ・ユガ』の元ネタの話です。発掘したので加筆修正してあげておきます。






うわわわわ、なんかすっごくぱちぱち押してもらってて申し訳ない感じです…。拍手更新したいんですけど今月は結構怪しいです…すみません。できる限り頑張ってみます!






◆あるいはひとつの可能性 17
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「それじゃ、預かるね」
「よろしく」

そう言って、臨也が新羅の家にサイケと津軽を送り届けて帰った後。彼らはネブラ製薬の研究所に連れていかれた。





そしてさらに数時間後。

「つがる!」

ぎゅうっと抱きついてきたサイケに、津軽は内心ほっとしていた。
来る途中からずっと怯えの色を隠せない様子で心配だったが、この様子なら問題なさそうだ。

「つがるももう終わり?」
「ああ」
「ならおうち帰れるね!」
「そうだな」

頷いて、新羅の迎えを待つためにどこかで休ませてもらおうと思った、その時。

「一緒に来てもらおうか」

後ろから押しつけられた硬い感触。
ビクリと竦んだサイケが「拳銃…?」と小さく呟く。

「つがる…」
「大丈夫だ」
「…でも」

ふるふると震えだしたサイケを抱きしめて。
津軽はこの状況から逃れる方法を必死で考えた。
だが、静雄とは違いなんの特殊能力も持たない津軽は、サイケを確実に守るための策を思いつくことができなかった。



※今回は繋ぎの話。
なんで他に人がいないのさとか気にしちゃいけません。
そして纏まりが悪いのであとで修正するかもしれません。


8月10日(火)
5000hit+1
フリリク企画にSSひとつ追加。
匿名さまリクエストの「ヤンデレの静雄に愛されて夜も眠れない臨也の話」です。若干流血表現あり。苦手な方はご注意ください。解釈を間違えた感じがすっごくします。






ポメラGETしました〜。これで休憩とかににちょこちょこ書けます。すぐ起動ってのがとりあえず便利だ。うちのPCはVistaだから起動遅いんだもん。でも漢字少ないってのは本当でした。とりあえず辞書に必要なものは登録しましたが、うん。このポメラ人に絶対貸せないな〜な登録状況になりました。






超短文7題10−3 疑問


「シズちゃん」
「なんだ」
「シズちゃんってさぁ、甘いもの好きだよね?」
「それがどうした」
「いや、なんとなく」

ころり、と頭が静雄に膝に移動してきた。

「おい、退けろ」
「いいじゃん別に」
「よくねぇ…」

そう言うが退かすのも大人気ない気がして、静雄は盛大に溜息をつくことで代わりとした。

「それでさ」
「あ?」
「だから、シズちゃんが甘いものが好きだって話」
「おう」
「この前、ケーキ食べたんだよね。自分で作ったやつ」
「………」
「それが我ながら結構いい出来だったんだけどさ、そう言えばシズちゃん甘いの好きだったっけって思い出したんだよね」
「手前は何が言いたい?」
「いや、特に何も」
「…………」

こいつムカつくなぁ。
意図せずとも自分を苛立たせる相手に。
静雄は一発殴ってもいいだろうか、と考えた。



※臨也は思ったことを口にしただけです。


8月9日(月)
text+1
ににSSひとつ追加。
猛獣設定(来神時代)の続きものの4話目です。






ぱちぱち&コメントありがとうございました!
拍手お礼なかなか変更できなくてすみません…。ちょっと今月は余力がないので微妙な感じです…。
夜は少し温度が下がってきて活動しやすくなりましたが、明日も朝早いという悲劇…。というわけでこれから寝ます〜。






超短文7題10−7 衝動


「このっ、放せ!」
「ダメだ、逃がさねぇ」
「ッ、性質悪いんだよ!この単細胞ッ」
「手前が煽るから悪ぃ」
「訳わかんない理屈を捏ねるなっていうかっ!ホント放せよこの強姦魔!!」

ぎゃんぎゃん喚く臨也を組み伏せて、静雄はふむと考えた。
どうやら臨也に煽った自覚はないらしいが、だからといっていまさら止まってやれそうにはなかった。
見下ろした先、怒りに染まった表情に衝動がまた沸き起こる。
だから。

「臨也」

耳朶を食みながら耳元で囁く。
ビクリと強張った身体は壊しそうなほど細かった。
沸き上がった凶暴な感情に任せて、首筋に噛み付くようなキスをひとつ。

「んっ…やっ、だ」
「あー…悪ぃ。我慢できねぇ」
「ちょっ、おい、ここどこだか分かってんの!?」
「気にすんな」
「するよ!やだやだやだ!俺は青姦なんて絶対やだからね!!」

ああうるせぇ。
そう思いながら、静雄はきっぱり言い切った。

「やめる気ねぇから諦めろ」



※衝動のまま襲ってみました。


8月8日(日)
text+1
textにSSふたつ追加。
どちらも『猛獣』設定で来神時代の話。ひとつはR-18の短編、もうひとつは続きものの3話目です。
短編の方は話的にはフリリクの『真昼間からなにやってんだ』より前の話になります。






暑くて気力が沸かないです。夏はいつもそんなものですが、それにしても暑い…。35℃を越した室内で茹だる水槽の住人が非常に心配です。うちの魚たちは今年の夏を無事に越せるんだろうか…。






◆あるいはひとつの可能性 16.5
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「本当に大丈夫なのかよ」

就寝前、静雄に真剣な表情でそう言われて。
臨也はそうだね、と呟いた。

「少なくとも、岸谷森厳もネブラもあの子達に何かしたりはしないよ」
「………」
「そんな顔しなくても大丈夫だって。俺と『契約』した以上、それを破ればどうなるかはあっちもよく知ってるみたいだったし」
「…だけどよ、それを知ってるってことは相当やばいところってことだろうが」
「そうだよ。だけど、だから彼らは俺たちとの『契約』の意味を正しく把握してる。まあ下っ端の連中は知らないだろうけどねぇ」
「そこが問題なんだろうが」
「うーん…」

くくっと笑って、臨也は困った表情を作る。

「シズちゃんもすっかり保護者だね。うん。確かにそこまでは徹底できないだろうから、その辺は問題だよね」
「大丈夫なのか」
「さあ?でも、津軽もいるし平気なんじゃないかな」
「津軽が俺みたいな力を持ってればいいけど、そうじゃねぇだろう」
「まあね。でもさ、そもそもあの子達をオリジナルの側に置くことを決めたのは彼らだ」
「手前はあいつらがどうなってもいいって言うのか」
「まさか!俺はこれでも結構あの子達を気に入ってるし、第一シズちゃんの遺伝子を使った津軽を好き勝手されるのは気に食わない」

静雄の言葉を即座に否定して、臨也はサイドテーブルに置かれたパソコンを指差した。
それは仕事用ではないらしいが、静雄は何に使われるものなのか知らない。

「保険はちゃんとかけてあるよ。保険は保険のままなのが一番だけどね」

にやりと笑って臨也は静雄の首に手を回して引き寄せた。
そのまま耳元で囁く。

「大丈夫だよ。津軽はサイケを守ろうとするだろうし、サイケも津軽を守るためならどんなことだってするさ」

あの二人は俺たちの遺伝子から生まれたんだから必然的にそうなるよ。
心底楽しげに笑った臨也に、静雄はどうにも嫌な予感を拭えなかった。



※夜の話。


8月7日(土)
5000hit+1
フリリク企画にSSひとつ追加。
匿名さまリクエストの「一般人静雄×芸能人臨也のパラレル静臨」です。知識不足で芸能人関係ない話になってしまってます。すみません!






ぱちぱち&コメントありがとうございました!
とりあえず今回のでフリリクのストックは尽きました…。ああああ、ごめんなさい。あまりお待たせしないように頑張ります。






◆あるいはひとつの可能性 16
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


サイケには目覚めてから新羅の家に連れて来られるまでの記憶がない。
初期化したのだと言われてそうかと納得したが、ざわざわと気持ちの悪い感覚があって。
それを訴えたら新羅は困ったような苦しいような、そんな表情をした。
だから、サイケは新羅の前で二度とそのことを口にしなかった。



「臨也くん、俺どこか壊れてるのかな」

服のすそを引っ張って問えば、臨也が不思議そうな顔をする。

「どこか痛いのかい?」
「ううん、違うよ。でも、何でだか分からないけど、研究所、行くの怖いんだ」
「…ああ、そういうことか」

納得した臨也は頷いて、サイケに手を伸ばし。
そのまま緩く抱き締めた。

「大丈夫だよ。サイケが怖がるようなことは何もされない」
「でも」
「大丈夫」
「…うん。…つがるは、怖くないのかな?」
「どうだろうね。津軽は目覚めてすぐに家に来たから、研究所の記憶はほとんどないんじゃないかな?」
「そっか。なら、つがるは大丈夫だよね?」
「大丈夫だと思うよ」
「よかった」

きゅうっとしがみつけば、優しく背中を撫でられた。
それが少し不安を溶かしてくれた気がして、サイケはほっと息をつく。

「サイケ、どうしても怖くて嫌なことが起きたら俺を呼ぶこと。いいね?」
「うん。…あ、でも俺、携帯持ってないよ?」
「大丈夫だよ。この前サイケにインストールしたプログラム、覚えてるかい?」
「あ…あれのこと?」
「そう。あれは俺の携帯と繋がってるからサイケはただ俺を呼べばいいだけだ。簡単だからできるよね?」
「うん」

できると思う。
こくりと頷いて『助けを呼べる』状況に安心したサイケは、やっと全開の笑顔を見せることができたのだった。



※なんだかんだ言ってサイケに甘い臨也さん。


8月6日(金)
5000hit+1
フリリク企画にSSひとつ追加。
烏さまリクエストの「静+帝×臨の3P(裏)」です。
R-18。でも3Pにしてはエロがぬるいのであまり期待はできないかもしれません…ごめんなさい。
…あと、今回のリクは何度か書き直してるせいで2パターンあります。一応リンクはしてありますが、もうひとつの方は↑の以上に人を選ぶ内容ですのでご注意ください。






今日やっと全テ買ってきました〜。とりあえず一言感想は「新羅最強」ですかね〜。あの二人の間にいてそう言える人間ってか彼以外いないと思います。あとは、ノミ蟲ってやっぱりそこから来てたのかとか。とりあえず来神時代の話本気で読みたい…。






◆あるいはひとつの可能性 15
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


「メンテナンス?」
「そう。一度様子を見たいから来て欲しいって」
「……」

不安そうな目を臨也に向けるサイケに。
津軽は「大丈夫なのか」と問うた。
サイケも津軽も人間ではない。
この場所では人間として扱われていても、人権などないし、そもそもが実験体なのだ。
サイケの不安は同じ立場の津軽にも充分理解できる。

「大丈夫だよ。俺が抜かるわけないでしょ?…そりゃ、ちょっとは検査とかするかもしれないけど、きっちり『契約』させたから、酷いことはされないし、すぐここに帰ってこれるよ」
「………」

まだ不安が拭えないサイケが泣きそうな表情を見せた。

「大丈夫だ、サイケ。こいつは最低の嘘つき野郎だけど『契約』に関しては嘘はつかねぇよ」
「シズちゃん、さり気なく酷い」
「事実だろうが」

不満げに口を尖らせる臨也に溜息をついてから、静雄が津軽を見る。

「津軽も行くんだろ?」
「うん。二人ともって言ってたよ」
「だったら安心だろ、な?」
「……うん。つがるが行くなら、行く」

こくんと頷いて着物の袖を握られて。
津軽は絶対にこいつだけは守ろうと誓いを立てた。



※夕食後の会話。
やっと少し話が動く予感?


8月5日(木)
text+1
textにSSひとつ追加。
『猛獣』設定(来神時代)の話の続き。
小話くらいの量で書いてるんで進まない上にぶつ切りなんですが、最低でも15話以上になることは現段階で確定してるんですよね、この話。でも語り手を変えたいんでぶつ切りにしてます。すみません。っていうか本題に入るのは6話目からという進まなさ…。






励ましコメント&ぱちぱちありがとうございます!励みになります!頑張ります!
予定は未定を地で行く生活を送っております。予定が進まない事態に泣きそうなんですが、打開策を練りつつ地味に対応中。リクエスト消化が少し遅れそうなのが本当に申し訳ないです。気長にお待ちいただけると嬉しいです。






◆あるいはひとつの可能性 14
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


3人でおやつを食べてから約2時間。
帰宅した臨也がサイケの『おかえりの儀式』(静雄命名)に耐え切れず後頭部を玄関のドアに打ったが。
それ以外は大方問題なく、その日は全員そろっての夕食ということになった。
早く帰ってきた静雄がたまにはと夕飯担当を買って出て、現在料理中。
キッチンに続くリビングで、臨也とサイケの会話が聞こえてくる。

「ねーねー臨也くん」
「なにかな…っていうか、顔が近いよサイケ」
「んっとね、ちゅーしてもいい?」
「はい?」

ごとん、と静雄の手にしていたボウルが落ちた。
何も入っていなくて良かったと思いつつも、意識はついリビングの会話に集中してしまう。

「…サイケ、そういうことは好きな人とするものだよ」
「俺、臨也くん好きだよ?」
「うん、そういうことじゃなくてね…」
「じゃあどういうこと?」
「………」

沈黙が落ちる。
おそらく言葉を探しているのだろう。
うろうろと視線を泳がせる臨也の姿が想像できて、静雄はくっと笑った。

「サイケ、津軽がして欲しそうだから先に津軽にしてあげなさい」
「…んー…うん、わかった。つがる、ちゅーしよ?」
「………」

サイケ相手では調子が狂いっぱなしの臨也に笑いながら調理を再開しようとすると。
臨也がのろのろとキッチンに避難してきた。

「あーもう、一体どこであんなこと覚えてきたんだよあの子」

ぶつぶつと文句を言いながら静雄の隣に来て、何故か睨む。

「君といい津軽といい…君たちの頭の中ってどうなってるわけ?」
「…何が言いてぇんだ」
「だってサイケが俺とキスしたいって言った時の津軽の顔、君が嫉妬してる時のとまるきりおんなじなんだよ」

ああやだ。そう言って、臨也は料理を手伝う気なのか手を伸ばしてくる。
なるほどと苦笑して静雄は「仕方ねぇよ」と口にした。

「俺も津軽も、好きなヤツへの独占欲は相当強いみたいだからな」



※夕飯前の一幕。


8月4日(水)
text+1
textにSSひとつ追加。
以前書いた『けもみみパラレル』の続編、というか小話です。






やばい。もう4日だよ…。なんですかこのスケジュールって感じで進行してるのはここ数ヶ月ずっとですが、ここまで予定が進んでないのも珍しいです。延びに延びてるんですけど大丈夫なんだろうか…?
現在書くほうは完全に停滞期です。書きたいんだけど書き始めると別の用事を思い出してそれをするもので書きかけだらけ。本気でポメラ欲しいです。休み中に携帯でぽちぽち打つのは辛い…。






超短文7題10−2 殺意


ぐっと強く壁に押し付けられて、痛みに呻いた。
放せこの馬鹿力めと思ったが。
段々深く、激しくなる口付けに、言葉を紡ぐ隙は与えてもらえなかった。

「……ぅ…んっ」

合間に漏れ聞こえる湿った卑猥な水音に、耳を塞ぎたくなる。
顎を掴む容赦のない力。
逃れようにも逃れられない力の差が恨めしかった。
だが、どうにもならないのは分かっている。
一度きつく相手を睨んでから。
臨也は諦めて与えられる快楽を目を閉じて受け入れた。
暫くの間、貪るような口付けを交わす。
相性が良いと言うべきか。
性格は全く合わないにも関わらず、静雄が臨也に与えるキスは、いつも他の一切を忘れさせるような快楽を生む。
だからこそ、余計それが嫌いだった。

「…随分気持ち良さそうな顔だな?」

漸く解放されて、開口一番にそんな事を言われて。

「気分は最悪だけどね」

そう言って、臨也は殺意を込めて隠し持っていたナイフを振り上げた。



※シズイザというかシズ→イザというか。
とりあえず殺意は本物だと思います。


8月3日(火)
text,5000hit+1
textとフリリク企画にSSひとつずつ追加。
フリリクは匿名さまリクエストの「シズイザで両片思い→ラブラブ」です。例によってタイトル後から考えようと思ったら決まらなかったんで数日放置されてました。でも決まらないんで仮でついてたヤツそのままです…。
textの方はのんびりやってく予定で始めた連載というか連作?の『猛獣』設定(来神時代)の話です。






今ちょっと日本史(古代編)を勉強中。まだ邪馬台国のあたりですが結構面白いですね。






◆あるいはひとつの可能性 13
※猛獣シズイザと津軽×サイケな小ネタ連載。


早い時間に仕事が終わって、静雄が帰宅すると。

「おかえりシズちゃん!」

扉を開けてすぐにサイケが抱きついてくる。
それを難なく受け止めて、静雄は首を傾げた。

「臨也はどうした?」
「お仕事行っちゃたよ。だから俺、つがるとお留守番なの」
「そうか、偉いな」

頭を撫でてやれば嬉しそうな笑顔。
この素直さが少しでも臨也にあればいいのにと思わないでもない。

「そういや、臨也がおやつにってプリン作ってたぞ」
「プリン!」

きらきらと目を輝かせるのに苦笑して。
同じように出迎えに出てきたものの、不満げな顔で自分とサイケを見ている津軽に声を掛けた。

「よう、ご苦労さん」
「いや…お帰り」
「ああ、ただいま。っと、サイケ、津軽と一緒にリビングに行ってろよ。プリン持ってってやる」
「はーい!行こうつがる!」
「分かったから走るな、転ぶぞ」

パタパタと軽い足音を追って、津軽も中に引っ込んだのを確認して。
静雄は仕方ねぇなと苦笑した。
どうやら、津軽は静雄に似て独占欲が強い性質らしい。
自分と同じ顔が明らかに嫉妬してますという表情を浮かべるのを見て、そう理解する。

「ま、俺も人のこと言えねぇし」

そう言って、静雄も靴を脱いでリビングへと向うことにした。



※午後3時頃。
ぼちぼち話を動かしていきたいところ。

8月1日(日)
text+1
textにSSひとつ追加。
シズイザはちょっとパラレル的な捏造話ですが、注意するほどではないと思います。…たぶん。
日記の小ネタをmemologに移動して、携帯版拍手も格納しました。






今日は午前中いっぱい外出していたので結局ほとんど何もできませんでした…あ、いや前々から作ってあった携帯サイトの改装はしましたけど。明日もそんな感じっぽいです、よ…。誰か私に萌えを文章にする時間を下さい…(無理言うな)






超短文7題10−1 嫉妬


「…しずちゃんの、ばか…もうやだ、きらい」
「臨也、飲みすぎだ。もう止めとけ」
「やら…もっと飲むもん…うぅ…」

どうしたものか、と思いながら門田はまだ飲もうとする臨也から酒の入ったグラスを取り上げる。
自棄酒に付き合うのはこれが初めてではない。臨也の酒量はすでに把握していた。

「とにかくもう飲むな。これ以上飲むとまた記憶が飛ぶぞ」
「やら、もっと飲む」
「ダメだ、…と…おい、こっちだ」

店に入ってきた静雄の姿を見つけ、手を上げて呼ぶ。

「…門田、毎回毎回悪ぃ」
「いや、別にいいけどな。ほら、臨也」
「…んー?」
「静雄が来たからちゃんと話し合えよ」

門田の言葉に臨也が目を瞬かせ。
僅かに酔いが醒めたのか、不愉快そうに眉を寄せた。

「…なんで、しずちゃんがいるの」
「俺が呼んだ」
「どたちんのばか、うらぎりもの」
「あーわかったわかった。とにかく話し合え、いいな?」
「うー…」

静雄に席を譲って門田は立ち上がる。
後は任せるぞと言えば、静雄がわかってると頷いた。

「…しかし、毎回毎回お前も大変だな」

そう言えば、嫉妬深い恋人を持つ旧友は僅かに苦笑して。

「でもこれはこれで嫌じゃねぇんだよなぁ」

と応じたのだった。



※愚痴られたり惚気られたりするドタチンが災難。
実は10まであった超短文7題。連載のに混ぜつつ終わらせてしまう予定です。