いっしょにいられるこうふく
※パラレル、幼馴染。暖かい室内で、何をするでもなく二人じゃれ合う。
キスして、抱き締めて、触れ合って。何年かけても相手が存在する限り満たされることのない飢えを、一時でも満たすために。
「んっ…は」
深いが官能を呼び覚ますほどではないスキンシップは続く。
「ねぇ、シズちゃん」
「なんだ」
「大好きだよ」
「…俺も好きだ」
ちゅっとキスされて、お返しに静雄の耳を齧った臨也は嬉しそうに笑った。
「でも同じくらい嫌いだよ」
「同感だな」
お互い本質的に相容れない、たった一人のひと。決して多数に埋没しない絶対で無二の存在。
だから一緒にいるし、一緒にいたいのだ。
これにつける名前は、あいにく人間に過ぎない彼らにはひとつしか思い当たらなかった。
そして、だからこそ彼らはこれからも共にいたいと祈るように願うのだ。
「捨てたりしたらぶっ殺すからね」
「手前こそ、別れようなんて言ったら一生鎖に繋いで監禁してやるから覚悟しとけ」
「うわ、ヤンデレだねシズちゃん」
そう言って、彼らはそれはそれは幸せそうに笑い合った。
※これでおしまい。バカップルの前途に幸多からんことを祈って閉幕!