雪合戦
※来神時代。









季節は冬。まれに見る大雪が降った日のこと。
どういう経緯でそうなったのか。高校生にもなって雪合戦をするはめになった門田は、深い溜息をついて項垂れていた。

「ドタチン!負けたら一回昼食おごりだよ!」

そう言う臨也にそうだなと応えを返して。
恐ろしい勢いで迫る雪玉を避ける。

「平和島、少しは手加減しろ!」
「あー…わりぃ」
「はははっ、無理だよドタチン!シズちゃんに手加減なんて高度なことが出来るわけないじゃん」
「よし殺す。めらっと殺すっ」
「静雄落ち着いてよ!ちゃんと狙わないと命中しないから!」

雪玉を作っては投げ作っては投げを繰り返す静雄とそれをひょいひょいと軽い動作で避ける臨也。
元々雪合戦と呼ぶには微妙な人数だったのが、すっかり二人のじゃれ合いの様相を呈している(少なくとも、門田と新羅の目にはそう見えた)。

「二人ともホントに子供だよねぇ」
「…そうだな」

朗らかな新羅の声にげっそりと応じて。
門田は次の瞬間、目の前の光景にぎょっとして声を上げた。

「静雄!それはさすがに止めろ!」

しかし、時すでに遅し。
静雄が作った一抱えはある雪玉が臨也に向かって高速で投げられる。

「うっわ、さすが化け物。やることが豪快すぎ」

門田の心配をよそにひらりと身をかわして雪玉(というか雪だるま?)を避けて。
臨也はにやりと笑った。

「あははははっ、シズちゃんノーコンだね!そんなんじゃ俺には当たらないよ!」
「っ…この、ノミ蟲がぁぁあああ!!!」

再び弾幕のような雪玉の嵐。
それを投げる静雄も静雄だが、避ける臨也も臨也だ。
当たればただでは済まないだろう威力の雪の固まりを見て。
門田と新羅は戦線を離脱し、完全に傍観者を決め込むことにしたのだった。












※ある雪の日の話。

もう雪の季節なんですよね。雪かきしたくないー!と毎年叫ぶ管理人です。
ネタ提供ありがとうございました!

(mobile版拍手お礼その24 10.11.30初出)