kiss22箇所
※いろいろなシズイザとたまにシズイザ派生やその他とか。今回はシズイザ。











◆ 耳:誘惑








「あのさぁ、シズちゃん」
「ん?」
「何か言いたいことあるんならさっさと言ってくれないかな…」

後ろからそうやって見つめられてるの、結構プレッシャーがすごいんですけど。
そう言って振り返った臨也に、静雄は目を瞬いた。
見つめて、というか見惚れていたのは確かだが、それまでまったくといっていいほど何の反応も返してこなかったのだ。てっきりPC画面に映るの何かしらに没頭しているのだと思っていた。

「シズちゃん?」
答えない静雄を不審に思ったのかもう一度呼ばれて、
「相変わらず綺麗だよなぁと思ってたんだよ」
意識せず言葉が漏れて、あ、と気づいたが。

「……」

その時には、臨也がぽかんと口を開けた間抜けな顔で自分を見上げたまま固まっていた。
めったに見ないその間抜け顔についそのまま見つめていると、正気に戻ったのか次第にその頬やら耳やらが赤くなってきて。
ばっと顔を逸らした臨也が大声を上げる。

「ばばばばっかじゃないの!そんなの今更シズちゃんに指摘されるまでもなく分かってるしッ!」

どもるなよ。そこまで動揺することか?
そう思うが、動揺してわたわたと顔を隠す臨也は普段が普段だけにやけに可愛く見えたので、敢えて指摘はしない。
内面はともかく外見――特に顔が綺麗というか美人なのは本人が言う通り事実だしな、と笑って。なにやらブツブツ言いながら後ろを向いてしまった彼に手を伸ばす。
そのまま軽く抱き寄せて、真っ赤に染まった耳にちゅっと口づけて。
静雄は可愛い恋人の名前を甘く囁いた。












※予想外の反応が可愛かったようです。