1.告白されました。
※幼馴染。not『猛獣』設定。基本臨也視点。










シズちゃんに告白された。
ああ、シズちゃんって言うのは俺の幼馴染のこと。
本名平和島静雄。性別男。
近所に住んでて、それこそ小学校に上がる前からの友人…?…だ。
そのシズちゃんが何をトチ狂ったのか、同じ男の俺に告白なんかしてきた。
…ホント、何考えてんだろ?頭大丈夫かな。どこかで打ったとか…ああいや、シズちゃんがそれくらいでどうにかなるわけないんだけどさ。
しかし…困った。



「と、いうわけなんだけど」
と口にした俺に、幼馴染の一人、ドタチンこと門田京平は深い溜息をつく。
彼曰く、俺の話は前置きが長いということらしい。なかなか本題に入らず、そのくせ決して要領を得ない話はしないので、本題がどこにあるのかが見極めるのが難しいのだと言われたことがある。

「それで?お前はどうなんだ?」
「どうって?」

問われて、首を傾げた。
どうって何がどうなのか、全然分かんないんだけど。

「お前は静雄が好きなのかって聞いてるんだ」
「ああ、それか」

得心がいって頷いて。
俺はもう一度首を傾げる。
好き…ねぇ。そりゃ、シズちゃんのことは好きだよ。ただし、友達としてだ。そもそも俺は男だし、シズちゃんに恋愛感情なんてない。
想像してみなよ。俺とシズちゃんがハグ…はわりとよくしているけど、キスとかするんだよ?さすがに、それは無理。うん。たぶん無理。

「俺はシズちゃんをそんな目で見たことないよ」
「まあそれはそうだろうが…」
「っていうか、ドタチン驚かないね。シズちゃんが俺を好きとか、普通驚かない?」
「ああ…いや、」
「何?」

言葉を濁して視線を明後日の方向に向けるドタチンに。
俺は何だか嫌な予感がした。
なんだろう、問いかけといてなんだけど、聞かない方がいい気がする。

「たぶんお前以外のクラスメイト全員、静雄の気持ちに気付いていると思うぞ…?」

…………。
ああなるほど。後悔先に立たず、ってこういう状態を言うんだね。
なんて思いながら、俺は生まれて初めて、実は自分は鈍感なのだろうかと疑った。












※普通に幼馴染でシズ→イザな話、1話目。