『クロネコ』番外
※黒猫設定総括。新羅の一人語り。でも四字熟語は考えるのが面倒なのでてこないという低クオリティ。
オリジナル設定満載注意!静雄の家の黒猫について。(拍手未掲載の新羅語り、黒猫設定説明大会)










セルティの話を総括すると、静雄のところに居座る黒猫は、猫ではないらしい。
これは聞いた話なので、どこまでが真実かはわからない。まあ僕はセルティを信じるけどね!
…とりあえず、今は臨也という名で呼ばれている黒猫の話だ。

世界は多くの不思議に満ちている。
セルティのような妖精や、罪歌のような妖刀もその不思議を構成する存在だ。
そんな中に、彼らとは一線を画す生き物がいるとセルティは言った。
『古代種』とただそう呼称されるその生き物たちは、存在するだけで危険な生き物であるらしい。
なんでも彼らは、はるか昔に『今は死んだ失われた世界』とやらから来たという。
膨大な情報質量を有するその生き物は、やって来た先のこの世界に酷く嫌われ、事あるごとに消されそうになるのだそうだ。
いやなかなか壮大な話だ。だって考えてもみて欲しい。世界が個としての意思を持つというだけでも信じられないのに、それが消そうとするとか…ねえ?
でも、セルティが言うには静雄の飼う黒猫はその古代種とやららしい。しかも最悪の部類に入るそうだ。
生き物の発する感情の波動を食料にしててここ数千年は人間を主食にしてるとか。もともと人を弄ぶのが好きだとか。より多くの感情を生み出すために人心を惑わして、かなり色々な国の存亡に裏で関わっていたとか。そりゃあ迷惑極まりない生き物だ。…ああ、彼らには寿命と呼べるものがないらしくて本当に人類史より以前からこの世界にいるらしいよ?
とにかく、色々なところで他人に騒ぎを起こさせてそれを高みの見物する悪質な存在だというがセルティの知る『臨也』という名の黒猫で。
多くの人間の恨みを買い、命を狙われ、世界各地を転々としているんだそうだ。
静雄と仲のいいセルティが心配するのもわかるよね?…ああでもなんか静雄とセルティって仲良すぎない?とりあえずもっと離れろっ!て話してる間、僕はセルティの隣で念じてたよ。口に出せる雰囲気じゃなかったから言わなかったけど。



ああそうそう。この前、静雄が件の黒猫さんをうちに連れてきたんだけどね。
いや、あれは驚いた。猫耳だよ猫耳。一瞬静雄の趣味かと疑ったんだけどさ、僕の感情を読んだらしい黒猫さんにすぐに否定された。
長くてきれいで艶やかな毛並みの尻尾…確かに静雄が散々迷惑な自慢…惚気?を聞かせてくれただけのことはある…もついていて、セルティについてたらかわいいだろうなあ!とテンションが上がったのにもたぶん気付かれてたね。一瞬きょとんとしてから呆れた目で見てたし。
猫耳については、本人曰く、百年ほど前にほとんどの力を失くしたとかで今は完全な人型すらとれないらしい。
セルティから聞いた話の真偽を問うと、笑って全部事実だと言われた。ついでにと補足された情報は古代種の体系と種族的特長くらいで、話してた本人はかなりどうでもよさそうだった。種族的にあまり同族には興味がないらしい。同族には闇猫と呼ばれる彼の種族は種族全体から見るとかなり底辺に位置するそうだ。にしては態度が偉そうだったよね。
なんか結局彼は静雄の家に居つくことになったらしくて、その報告がてら挨拶に来たとのことだ。始終甘い空気を撒き散らす静雄なんていう非常に貴重で気味の悪いものを見せられた。
…。ああもう!それよりセルティだよ!なんだかさ、最初は黒猫…いや、もうあんな奴臨也でいいか。とにかく臨也のこと警戒してたのに、最後の方ではそれなりに打ち解けちゃってさあ…ああ!また余計なやつが僕とセルティの邪魔をするのかっ!?って本気で焦った!臨也はそんな俺に視線だけよこしてなぜか薄気味悪いものを見る目をしてたけど。嫌なら勝手に感情を読むなって感じだよ、まったく。臨也本人はセルティに一切興味はないみたいだったから許すけどさ。でも思い出したら腹立つなぁ。だいたい人の家だっていうのに静雄も臨也もいちゃいちゃいちゃいちゃしててすごく迷惑だから!…止めよう。あんなバカップルのこと考えるのは。
まあなにはともあれ、とりあえず僕から臨也に言えることはこれだけだ。
ようこそ池袋へ。


あーあ…セルティ早く帰ってこないかなあ。












※どうでもいい蛇足。黒猫の基本設定はこんな感じ。