気紛れな黒猫
※赤臨(未満)。マヨさんへの捧げ物!















懐かれた、というのとは少し違うと思う。
気紛れな野良猫が、ほんの少しだけ心を許してくれたとかそんな感じ。
そう、今の状況を赤林は認識していた。
「赤林さん?」
甘えるのとは少し違うでも十分穏やかで柔らかな声。
それが下から聞こえて、苦笑する。
「おいちゃんの膝、硬いと思うんだけど?」
何でこんなことになってるんだとか、何故こんなことをとか。
本当に訊きたいことは飲み込んでそう言えば、相手はその独特な色の瞳を瞬かせて小さく首を傾げた。
「硬くないとは言わないですけど、悪くないですよ?」
そんなことをのたまって、ふんわりと笑ってみせる相手につい見惚れたの不可抗力というやつだ。
顔だけ見れば極上品なんだけどねぇ。
そんなことを思って苦笑を深める。
性格は大変よろしくないこの『猫』は、情報屋だ。赤林のことだってたぶんよく調べて知っているはずなのに、何故こんなことをしているのだろうか。
ただ甘えてくるようなそんな人間ではないだけに、読めそうで、でも読ませてくれないその心の内が気にかかる。
何かの罠なのか、あるいは――。
「赤林さんは、少し考えすぎかもしれませんよ?」
「……どういうことですかね?」
「俺が、ただ甘えてみたくなっただけとか」
そうは考えませんか?と訊いてくるその顔に浮かぶのは悪戯に成功した子供の笑みだ。
…まったくもって御し難い。
これは四木の旦那が苦労しているわけだ、と思って。「おいちゃん実は結構用心深いからねぇ」と嘯いて。
見下ろす目を細めて見せれば、何故か今度は相手が苦笑した。
意味が分からず視線で問うても、ゆるりとかぶりを振られただけで答えは得られず仕舞い。

手を伸ばすまでもなく届く距離。
触れる体温は、そう悪くなくて。
とりあえず、自分を見上げる目からは悪意は感じられないけれど、と思案する。

所謂膝枕。
どういうわけか懐いた振りをする黒猫に。
赤林はどうしたものかと苦笑して、とりあえず、まずはその黒髪を撫でてみることにしたのだった。












※たぶん赤←臨。ほんのり甘い…ような気もする…

遅くなってしまって&ラブラブには程遠くてすみませんでした!赤林さんのキャラ把握しきれずコレが限界ですっ><
リクエストありがとうございました!