※いつだったか忘れるくらい前のRT小話。「かまってほしそうな静雄×来神臨也でゲームをしている話」なので来神時代。シズイザのつもり…














「……」

真剣にテレビ画面を食い入るように見つめる横顔を眺めて。
静雄は暇だ、と心中で呟いた。

最初は対戦系のゲームをやっていたのだが、静雄が熱中し興奮するたびにコントローラーを壊しそうになり、ついに壊してしまったために中断されたのが1時間ほど前。

シズちゃんの馬鹿!とか怒鳴られて、その後はもう延々無視、完全放置だ。
自分が悪いと自覚していたから大人しくしていたが、そろそろ本気で暇を持て余してきている。

「おいノミ蟲」

呼んでみるが、返事はない。
真剣に画面を見つめて集中している臨也に、静雄は顔をしかめて手近のクッションを抱えた。
本当は臨也をこうして抱き抱えてしまいたかったが、我慢だと自分に言い聞かせる。
悪いのは自分。構ってもらえないのも自分のせい。
そう言い聞かせてぐっと我慢する。
秀麗な横顔をひたすら見つめて、ただ臨也がゲームに飽きるのをじりじりと待つ。

「…あのさあ、シズちゃん」
「え、お、おう?」

唐突に。
臨也が振り向いた。
彼は眉根を寄せて溜息をつく。

「そんな目で見ないでくれない?集中できないからさ?」
「………」

あからさまに迷惑そうな顔と声で言われて、静雄は落ち込んだ。
だって手前が構ってくれないから、とか思うのは我侭なのだろうか。
拗ねたようにクッションに顔を埋めれば、また溜息が聞こえた。

「ああもう、しょうがないなぁ」

声とともに臨也が動く気配がして――頬に暖かくて柔らかい感触。
ちゅっと、音を立てて離れたそれに、静雄は一瞬何が起こったのかわからず固まって。
我に返ってクッションから慌てて顔を離した時には、もう臨也は元の位置に戻っていた。

「い、いざや!」
「なあにシズちゃん?俺ゲーム中だから構ってあげないよ?」

何事もなかったかのように返す臨也は、静雄の方を見たりしない。
だけど、その頬がほんのり赤く染まっているような気がして。
静雄は顔が火照るのを感じて、反則だろ手前…と呟いてまたクッションに顔を埋めたのだった。












※かまってほしそうな…ではなく、明確にかまってほしい静雄さんになってしまいました…;しかもゲームしてるのは臨也さんだけという…お題クリアは私には難しい…