HoneyDays
※R-18。えろくないよ短いよ。一応『猛獣の飼い方10の基本』設定ですが、設定知らなくてもほぼ問題ないです。
































「ん…んッ」

口元を腕で隠して小さく鼻にかかった声で喘ぐ静雄に、臨也はもったいないと内心思う。
最中の静雄の低く掠れた喘ぎ声。臨也はそれをとても気に入っていた。

――声、聞きたいなぁ。

そう思うが、言う気はない。言ったところで嫌だと返されたらそこで終わりだ。
下手に機嫌を損ねるほうが大事になるので何も言わないほうがいい。
声を出すことを厭うのはいつものことで。だから、臨也は心の中で呟くだけだった。

「は、…ッ…ん、ぅ」

目元から零れる雫を舌で掬って、うっすらと開いた目に笑いかけて。
口を覆う腕をそっと取り上げて、それから唇を合わせる。
差し込んだ舌に素直に応じてくるそれを吸い上げて甘噛みして、合わせた口内にこもるくぐもった声を、熱と快楽に浮かされた表情を、存分に堪能した。
時間をかけて馴染ませた中はとろとろに蕩けて臨也を包み込んでいる。
体力に任せた激しい性交が多い静雄に比べ、元々性欲の薄い臨也は緩やかに快楽を愉しむほうを好む。
ただ緩やかで激しさのないそれは、じわじわと内側から侵食するような快楽で。
決定的な刺激こそないが、それ故に静雄の理性を蝕んでいく。

「い、ざや…も、」

とろりと潤んだブラウンの瞳が、焦らすなと訴えかけてくる。
それに、臨也は困ったように首を傾げた。
本当はもう少しゆっくりと刺激を欲しがりきゅうきゅうと締め付けてくる中を味わっていたかったのだが、さてどうするか。

「っ…いざやッ」
「…シズちゃん、そこでそのおねだりは反則」

遠慮がちにだが縋るように首に手を回され、耳元で呼ばれる名前に溜息をつく。
仕方ないなぁ、シズちゃんは。
そんな勝手なことを思いながら、臨也は幼馴染の願いに応え深く沈めたままだった腰を動かした。

「ッ…ん…く」

先走りに濡れる幹を擦り上げて先端の孔を時折くすぐってやれば、その度にビクビクと相手の腰が震える。
長いストロークで内壁の熱さを愉しむ。互いの快楽のつぼは知り尽くしていて感じる前立腺付近を掠めるようにすれば、抗議の声が上がった。
いい加減にしろよ手前、と掠れて途切れがちに熱のこもった声で言われても、ただくすぐったい感情が沸き上がるだけだった。

「気持ち良くない?」
「そ、じゃ…ねぇんだけど…」

きゅうっと引き絞られて、臨也は低く呻いた。
何をするんだと静雄を睨むが、それ以上に切羽詰った目で睨まれて抗議は飲み込む。

「ッ…足り、ねぇんだよ、もっと…」

手前が欲しい。と、そう囁かれてしまえば、さすがに臨也もそれ以上焦らして愉しむわけにはいかなかった。
一瞬で駆け抜けた情動のまま、引き抜きかけていたそれを半ば無理やりねじ込む。

「ヒッ!?…うああぁッ」

急激に増した質量と先程までの穏やかさが嘘のような激しい抜き差しに、静雄は悲鳴じみた嬌声を上げて痙攣した。
ぐりぐりと容赦なく前立腺を抉られて、耐え切れず白濁を腹の上に吐き出してしまう。

「んッ…う…ぅぅ…んーッ」

吐精したにも拘らず、臨也の動きは止まらない。
敏感になった内壁を犯され動かないでくれと首を振って訴える静雄に、だが臨也は「ダメだよシズちゃん」と言うだけだ。
見開いたままボロボロと零れ落ちる涙を指で掬って、臨也は笑う。

「もっといっぱい気持ちよくなろう?」
「い…ざや…ひ、んぅ」

疲れた身体から強制的に引きずり出される快楽に、静雄は眉を寄せ切なげな表情を見せる。
苦しげな息を吐き出すその唇に己のそれを合わせ呼吸すら奪う。
ぐちゅぐちゅと吐き出したものに塗れた手で幹を擦られて。
静雄は戸惑うように揺れる目で臨也を見た。
涙に曇った視界に映る赤が想像していたよりもはるかに真剣で。

「もっと俺を欲しがってよ」

囁く声のどこか切実な響きに、静雄は頷くことで応えた。
その仕草の幼さに、ああ、やっぱりシズちゃんはかわいいなぁ。と臨也は目を細める。
まさか相手がそんなことを考えているとは思わないまま、快楽で震える指で臨也の背に触れて続きを促した。

「大好きだよシズちゃん」

結局自分に甘いかわいい幼馴染の耳元に柔らかな声で愛を告げて。
臨也はその目元に触れるだけのキスを送った。












※らぶらぶえっちを目指してみた。んー…微妙。
なんかかせはシズちゃんを性的に泣かせたいようですよ。臨也さんは性的でも性的以外でも泣かせたいけどな!
通常設定イザシズでラブえろは無理そうなので『猛獣』設定で。いや、一応リバなんだよあのふたり。普段は書いてる本人も忘れてるけど。