※事後。そこはかとなくエロい?














細い腰だ、と静雄は思った。
女とは違うが明らかに男としても細い。
妙に扇情的なその細腰をじっくり満足いくまで眺めてから。
くったりと力の抜けたその背から腰へのラインを手のひらで辿ると、情事の余韻でいまだ高い体温としっとりと滑らかな肌の感触。
ぴくり、と小さく反応ともいえない反応が返るが、相手は目を閉じ、無防備に背中をさらしたままだった。

「臨也」

呼びかけるが、いまだ呼吸が完全に整っていないせいか、僅か数瞬目を開けてすぐ閉じる。返事もない。
そのことには特に不満を感じなかったので、静雄はそのまま臨也の体のラインを手のひらで辿る行為を再開した。
腰から背へと戻って、肩甲骨のくぼみをからほっそりしたうなじへ。そこからさらに皮膚の薄い柔らかな喉元を撫でて、顎から唇。
と、臨也がようやく目を開けた。
眉をわずかに寄せ、鬱陶しそうな目を静雄に向けている。

「なに、してんの…」

声にはありありと不満が宿っている。
達した後の敏感な身体を撫で回しているのだ。当然の反応だった。
静雄は一度手を離して、それからすらりと長い足のその内側を撫で上げる。

「…ッ…やっ」

止めろと手が伸びてくるのをもう片方の手で捕らえ、その細い指先を確かめるように唇を寄せた。

「ッ」

びくりと揺れた身体に苦笑して、静雄はその手を開放する。
本当はもう少し触れていたかった気がしたが、別に臨也の望まないことをする気もなかった。

「今日はもうしねぇから、そんなに警戒すんじゃねぇよ」
「………」

本当か?と問うような視線を寄越す相手に。
静雄は苦笑を深くして頭を撫でてやる。
本当にもうする気はなかった。もう嫌だと限界を訴える臨也に無体をした自覚もある。

「眠いか?」
「ん…でも、シャワー浴びたい」

撫でてやっているうちに眠気が強くなってきたのか、とろとろと臨也の目蓋が落ちそうになっている。

「寝ててもいいぞ」

洗ってやる、と静雄が言えば、いやだと返ってくる。
だが、睡魔につかまりかけている臨也はもう自分でシャワーを浴びることはできないだろう。
それが経験で分かっているので小さく嘆息する。

「これ以上は何もしないから、大人しく洗われとけよ」
「……やだ」
「お前な」

強情な相手に早々に痺れを切らして。
静雄は彼を抱き寄せ、腕の中に囲ってしまう。
さりげなく先程辿った細腰を撫でる。
僅かな抵抗の後、臨也は諦めたように頷いた。

「分かったよ…君を信じてあげる」

密着した身体から感じる体温に満足して、静雄はその額に触れるだけのキスを与える。
ん、と小さく息を吐いて、臨也が目を瞑って体重を完全に預けてきた。
もう一度キスすれば、無意識なのだろう。ふにゃりと臨也の表情が緩む。
それに穏やかな気持ちで微笑んで。
静雄は臨也を抱いてベッドを降りた。












※結局何フェチなのか…。(そういう話だったのか?)