Overflow
※R-18。無理やり系。強姦注意。
































「ッ…シズ、ちゃんっ!」
「逃げんな」
「ふざけんなっ!離せよ!!」

怒りに染まった目が静雄をきつく睨んでいる。
感情の昂ぶりで潤んだ目が、壮絶な色気を発していた。
煽られて、ごくりと自然喉が鳴る。
体格差に体力差。そして圧倒的な膂力の差が、臨也の逃走を阻止していた。

「やだっ」

押し倒して、両手を頭上で束ねる。
ひゅっと息を飲み込む音がして、信じられないという表情をした臨也が静雄を見た。
密着した身体ははっきりと静雄が欲情していることを伝えていて。
なんで、と小さく呟いた声は呆然とした響き。濡れた独特の赤い瞳に戸惑いと怯えの感情が混ざる。
それを見ながら、静雄は腰の辺りが疼くのを感じていた。今すぐにでも喰い散らかしたい衝動に、また喉を鳴らす。
静雄の理性はもうとうの昔にぶち切れていた。今はただ欲望に身を任せて臨也を犯すことだけを考えている。
耳朶を舐め首筋を辿ると、びくりと臨也の身体が跳ねた。そこに怒りや恐怖以外のものと思しき震えを感じ、静雄はにやりと笑う。

「や、だ…やめっ」

ふうふうと荒い息を吐き出して震える臨也の肌は上気し、ほんのり色づき始めていた。
弾力のある柔肌に歯を立て、鉄の味が滲むのを丁寧に舐めとっていく。

「ひ、あっ…や…ッ」

目を見開き生理的な涙を零す姿は、すごく卑猥だ。
静雄はまたごくりと喉を鳴らして、首周辺に歯を立てマーキングを施していく。これは自分のものだと主張するその痕は静雄の独占欲の表れだった。

「痛ッ、あッ」

痛みに暴れる身体は、だが静雄の力の前に容易く阻まれる。そのまま服を力任せに破かれて、あらわになった首より下の肌にも食いつかれた。
獣の交尾でももう少し加減するだろうという噛み痕に、臨也が悲鳴を上げる。

「ッ…ひ!」
「大人しくしてろよ?でねぇと腕と足の骨折るからな」

びくりと大きく跳ねた身体がそのまま硬直したように動きを止めた。
それに満足して、静雄は臨也の下肢に手を伸ばした。

たとえどれほど抵抗されても静雄はやめる気はなかった。
散々蹂躙して性交の痕を体中に刻んでやりたかった。
どうせなら犯されて喘ぐ姿をあの忌々しい男に見せ付けてやりたかったが、それは自重したのだから文句を言わせる気はない。
これから臨也を自分だけのものにするのだと考えただけで、ゾクリと背筋が震えた。
最も嫌う男に犯されただけでなく、これから静雄以外の人間に触れられるたびに何度でも犯され続けるのだ。
臨也が静雄以外としなくなるまで、暴力同然の性交で痛めつける。どれくらい繰り返せばこの男は自分の意図を理解するだろうか。そう考えて、静雄は楽しみだと思った。

――まあ、嫉妬で殺しちまう前に気づけよノミ蟲。

そう思いながら、一応孔だけは解すかと恐怖に縮こまった性器は素通りして静雄は手を臨也の尻の狭間に伸ばす。

「ひっ…ぐッ」

濡らしもしない指を力任せに挿入され、臨也の背中が痛みから逃れようと反り返る。
ひゅうと吐き出した息は苦しげで、ぽろりと眦から涙が零れた。
臨也の男にしては細い手足は、もう抵抗することもできず小刻みに震えるだけだった。

「今日は気持ち良くしてやる気はねぇから、気持ちよくなりたきゃ自分でしろよ」

その言葉は、臨也の耳には処刑宣告に聞こえた。









あれからどれぐらいの時間がたったのか。
開放されぐったりと身を投げ出す臨也の身体は汗と精液でドロドロになっていた。
後孔から呼吸のたびに散々注いだそれがとろとろと溢れて零れ落ちる。
これで目を閉ざしていれば憐れなレイプ被害者の図そのものだったが、汗で張り付く前髪から覗くのは強い眼差しだ。屈することを拒絶するその目に、静雄は低く笑った。

――そうじゃなきゃ面白くねぇ。

ゾクゾクするような疼きと衝動がまた沸き起こってくる。

憎み合って殺し合って。それが静雄と臨也の日常で、それ以上もそれ以下もなかったはずだった。
だが、その中にふと他人の影が差した。臨也に近づいた名前も知らない男。それが、均衡を崩してしまったのだ。
気付けば後はもうなし崩しに静雄の中で欲求だけが高まっていった。
欲しくて欲しくて。手に入れる手段を選ぶことなどやめた。
欲しいならば奪えばいい。どうせノミ蟲相手に遠慮する理由なんてない。そう思い至って実行した、これがその結果。

――手前が悪ぃんだよ。いつまでも俺にちょかい出すからこういうことになったんだ。

責任を取れと、静雄はすべての責任を臨也に転嫁する。

「おいノミ蟲、もう一回するぞ」
「ッ…まだ、やる気かよ…この変態野郎、が…」
「抵抗したければしていいぞ。どっちにしろ遠慮しねぇから」

ぐっと尻を割り開いて顕わにした孔は酷い有様だが知ったことではなかった。
征服欲と性欲と執着と、たぶん一握りの愛情。
折原臨也という救いようのない最低のクズ野郎にそれらの感情を抱いてしまっていることを、静雄は知ってしまった。
だから、飢餓感にさえ似た感覚に揺さぶられるまま、相手に自分という存在を穿つと決めたのだ。
忘れられないように。他の誰と居ても自分を思い出すように。
臨也は逃げない。どれだけのことをしようと臨也は必ずまた自分の前に現れる。そう静雄は確信している。だからこその暴挙だった。

「力抜いてろ」
「う、うっ」

掠れた声で呻いて臨也は唇を噛み締めて衝撃に耐える。
目の端から伝い落ちた涙がこの男に不似合いなほどきれいで。
その涙に煽られた静雄は身を捩って逃れようとする臨也を強く抑え付けて唇を寄せた。
零れる雫を舐めとり、満足げに笑む。

「臨也」

精液でぬかるんだ中は何度か達したせいで敏感で、痙攣しながら静雄を締め付けてくる。

「力抜け…、動き辛ぇ」
「で、きる…かっ…無茶、いうな!」
「そうかよ」

じゃあ好きにしろと、静雄は何度も銜え込んで多少は緩んでいる中を力づくで蹂躙することにした。

「ひっ…うあッ」

痛みに呻くのを無視してガツガツと打ち付ける。
ひっきりなしに上がる悲鳴はすべて無視した。
静雄は後悔する気はない。このどうしようもない欲望を自覚した時に諦めた。だから。


――手前も諦めろよ、臨也。


呪詛にも似た思いを刻み付けるように、静雄は臨也の苦痛に歪められた唇に噛み付くように口付けた。












※嫉妬全開シズちゃん。
これで男の件が誤解だったら目も当てられないよね。あ、ちなみに自分設定ではシズちゃんの一方的な誤解です。(最低)