1.顔射
※24歳静雄(S)と13歳臨也。監禁調教1個目。








































ぐっと顔を引き寄せられて、臨也は力なくもがいた。
跳ね除ける気力が沸かないほどに散々に苛まれた後だ。
せめてと相手を睨みつけるが、くっと笑われただけで終わる。

「臨也、口開けろ」

低い声音が耳に届いて。
臨也は嫌だと緩く首を振った。
もうヤダ、許してと掠れた声で懇願する。

「臨也」

ビクリと無意識に体が震えた。
心拍数が一気に上がる。
恐怖と不安。そして、微かな期待。監禁されてわずか二日の間に、臨也の身体は本人の意思と無関係に平和島静雄に作り変えられようとしていた。

「口を開けろ」

再度の命令に逆らうことは許されない。
カタカタと小さく震えながら、臨也は口を僅かに開いてみせた。
「舌出せ」
命じられるまま、そろりと唇から覗かせた舌に、静雄のそれが合わさり絡まされる。
「んっ…ふ、ぅうッ」
絡めたまま口内に侵入してくる舌。それを噛んでやろうとはもう考えられない。
最初にそれをやって、お仕置きと称して為された行為は、臨也の抵抗を削ぐには十分すぎるものだった。
指先が震える。
これからされることが何であれ、それは臨也にとっては拷問に等しいことだ。
何も知らなかった身体を弄ばれ苛まれて、知りたくもなかった性癖を教えられた。
「っ…ん、ん」
口の端から溢れた唾液が肌を伝う。その感触が気持ち悪いのに、酷く興奮する自分に吐き気がする。

「良い子だ」

開放されて荒い息を吐く臨也の頭を撫でて。
静雄は穏やかな笑みを浮かべて、言った。

「レッスンの続きだ。できるな?」

問いかけの形を取ってはいても、それは命令に他ならない。
ギリッと奥歯を噛み締めて、頷く。
口での奉仕。
まさか同性の性器を銜える日が来るとは夢にも思っていなかった臨也にとって、それは到底受け入れがたいことだった。
だが、しなければまた快楽地獄を味合わされる。
肉体も精神も疲弊してきている今そんなことをされれば狂いかねなかった。
それは嫌だと縋るように静雄のズボンに手をかけて、ベルトを緩めてチャックを下ろす。
そこから取り出したものに舌を這わせ、湿らせて、銜える。

「ん…っ」

心臓が煩いほどに鳴っていた。嫌だと思うのに、まるで迷わなかったことを褒めるように頬を撫でる指に、奇妙な安堵を覚える。
逆らわなければ、与えられる快楽は苦しいが痛みを伴うことはない。
それが分かっているからこその安堵だと自身を納得させようとして、その前に静雄の声が思考を遮った。

「ちゃんと舐めろよ」

その言葉にいっそ噛んでやろうかと考えて。
だが臨也は素直に舌を使って静雄の性感を高めていく。
何度も出し入れして、次第に硬度を増し脈打つ性器を丹念に愛撫して。
口内を埋める熱と、ぞくりと背筋に走る感覚にきつく目を閉じた。

今はもう自覚があった。
臨也は自分が精神的に貶められて快感を得られる人間であると、すでに自覚させられていた。
口内に本来なら受け入れるはずもない同性の性器を銜えさせられて、強制的に奉仕させられる状況。
それが自身の快感に繋がるのだと、知ってしまっていた。

「もっと奥まで銜えろ」
「ふ…くっ」

ぐっと髪を掴まれて深く銜え込まされる。
喉の奥に当たる静雄の雄の先端に思わずえずくが、相手が構わないことは分かっていた。
苦しさが増す。咽頭を刺激する先端に吐き気が込み上げて奉仕どころではない。
そう訴えたかったが、口は塞がれたままだ。
そんな臨也の顔を覗き込んで、静雄はにやりと口元を歪めて、言った。

「随分気持ち良さそうだな、臨也」
「んんっ」
「違うってか?なら、何で手前のココはこんなになってんだよ?」
「ッ!」

くちゅ、と音を立てて。
静雄の指先が痛いほどに勃ち上がった臨也のそこを撫で上げる。
根元と括れをリングに戒められたまだ幼さを残すそれをくちくちと弄られて、臨也はぼろりと涙を零した。
苦しい。気持ちいい。
つい2日前まで自慰すらほとんどしたことのなかった幼い性器は、苛め抜かれて苦痛すら訴えているというのに。それでもまだその指の動きを快楽と受け止めることに、臨也は絶望に似た感情を抱いていた。

「臨也、口開いて大人しくしてろ」
言われるがまま、静雄のものに歯を当てないように気をつけて口を開く。
尤も、臨也の口には大きすぎる性器は開いても大した隙間は生まれなかったが。
そんな臨也の従順な態度を褒めるようにまた頬を一撫でして。
静雄は臨也の頭をがしりと掴んだ。
何をされるのかは分かりきっていた。
「んぐ、ぅ…ぅう!」
激しい動きでガシガシと腰を打ち付けてくる静雄に、臨也は必死で堪える。
喉の奥、食道まで突き入れようとする荒い扱い。
吐き気がまた込み上げ、生理的な涙が頬を伝い落ちていく。

「ううっ、う、くッ」
「苦しいか?」

問われて頷く。
早く終わってくれと心底願いながら、臨也は目を閉じて衝撃に耐えた。
男のものを銜えさせられて、自身は縛られてイクことも出来ず。
口腔に広がる苦味にただ眉を寄せる。
男の味など一生知りたくもなかった。そう思うのに、臨也はすでに何度となくそれを飲まされている。
しかも、こうやって男の道具として扱われていることに、密やかな興奮すら覚えているのだ。

――もう、後戻りできないかもな。

ぽつりと胸中で呟いて、諦念が心を支配していくのを臨也は極めて客観的に認識する。
「ッ」
静雄が息を乱した気配にうっすらと目を開けて見上げれば、欲情した雄の目と視線がぶつかった。
途端熱が上がる身体に、臨也はふるりと身を震わせる。
頭を押さえていた静雄の手が何度か地肌を撫でて、抗い難い欲を覚えた。
あの後一切触れられていないにも関わらず自身の性器はますます硬度を増していた。
感じているのは快感だ。
口を犯されて、射精を制限されて。
虐げられることが、支配されることが、例えようもない快感に繋がっていた。

「出すぞ」

宣言と同時にずるりと抜け出した静雄の長大なそれが、目の前で震えて白濁を吐き出す。
どろりとした熱い液体を顔に浴びて、臨也は小刻みに身体を震わせた。
「あッ…ぁッ」
肌を汚す精液。
気持ち悪いはずのそれがすでに嫌でなくなってしまったことを改めて認識させられて。
臨也は快楽に支配されながらもどこか冷静なままの脳で思考する。

――ああ、やっぱり後戻りは不可能だ。

何も知らなかった数日前にはもう戻れない。
虐げられて奴隷のように扱われて。臨也はすでにそれを快楽に変換できるように作り変えられてしまっていた。
まだ本物の男を受け入れたことのない後孔もじきに排泄器官から性器に作り変えられるだろう。
初日に薬を使って丹念に快楽を植え込まれた身体は、もはや静雄の与えるそれらに抗いようがない。

「臨也」

ぼんやりと思索に耽る臨也に静雄が声をかけてきて、臨也は静雄の吐き出した精液に濡れた顔をそちらに向ける。
どろりとしたそれが髪や肌を伝って流れ落ちるのに背を粟立てながら、首を傾げ支配者の言葉を待つ。
だが、静雄はそれ以上臨也に何かを命じずに、相変わらず痛いほどに勃起した臨也のそれに手を伸ばしてきた。

「ヒッ、ぁ、ぁあッ」

先端の孔を爪先がぐりぐりと容赦なく抉る。
イクことが出来ない状況でのそれは、ただの拷問だ。
引き攣った悲鳴を上げて目の前の大きな身体に縋るしかない臨也に、その苦痛を与えている張本人は愉しげに顔を歪めて笑った。
サディストめ。
そう罵ってやりたかったが、口を開けば漏れるのは苦痛と快楽の入り混じった嗚咽だけ。
「ん、ぅあ……や、やだっ…あ…ッ!」
「イキたいか?」
問われてこくこくと頷くと、くすりと笑われる。
そして、性器を弄る指を離し、白濁で汚れた頬を撫でて、静雄は満足そうな声で囁いてくる。

「可愛いぜ、臨也」

嬉しくない。そう思うのに。そう思わなければいけないのに。
それでも次第に身体に引き摺られていく心に、臨也は黙ったまま目を伏せた。


まだ、調教は始まったばかりだった。












※捕獲されて調教中の中学生臨也さん。
従順にするならこの辺が限界かなーと思って中学生。犯罪ですよ静雄さん!