崩壊
※シズイザ。臨也さんは調教済。








































ぐっと喉の奥に押し入っては抜かれるものに。
臨也は苦しさに顔を歪めて、眦から生理的な涙を零す。
それを見下ろしながら、静雄は手を置いていた頭を掴んで引き寄せた。
「ん、うぅッ」
咥内を深くまで侵され苦しさに歪んだ顔と、直接与えられる生暖かい粘膜の感触。
それらに興奮を高められ、ぞくぞくと湧き上がる寒気に似た熱気。
力任せに咽頭を突き上げて、そのまま熱を吐き出して、静雄は満足げに息を吐く。
静雄の暴挙に小さく震えながらもこくりこくりと吐き出された白濁を嚥下する臨也の髪を褒めるように撫でてやり。
ずるりと口から己の性器を引き抜いてやる。
は、と苦しげに息をついて、静雄を見上げた臨也の目は涙と欲情でとろりと潤んでいた。
言われるより先に抜き出されたものに舌を這わせて残滓を拭い清める首輪以外一糸纏わぬ姿に昔の面影はない。
臨也をこうしたのは静雄だ。
身体の関係だけはあった天敵を監禁して、その強固な精神が壊れるまで散々甚振って犯した。
今では静雄を静雄と認識しているのかさえ怪しい時があるほどに。
「臨也」
「ん、ぁ…な、に…」
「うまいか?」
「ん、おいし。しずちゃんの、すき」
「…そうかよ」
口の端からとろりと伝う白濁液を指で掬って口元に運んでやれば、嬉しそうに舐めしゃぶる。
望んでそうさせたはずなのにその姿がなんとなく不愉快で。
静雄は髪を鷲掴んで無理やり止めさせた。
「ぁ、いたッ」
「止めろ」
低い声で命じる。
「ッ…ごめ…なさ、い」
何を怒られているのかも分かっていないだろうに、暴力を振るわれる恐怖からカタカタと震えて許しを請う臨也。
かつての、あの気の強い瞳はどこにもない。
あれほど嫌った男の姿を今更ながらに恋しく思う自分を嘲笑って、静雄は殊更冷たい声を出した。
「後ろを向いて四つん這いになれ」
そろりと視線だけで静雄の表情を伺って、緩慢な動作で頷いて。
臨也は何も言わずに静雄に従う。
尻を高く上げた犬のような格好をして不安げに振り向く姿を冷めた目で見下ろしながら、静雄はその白い尻に手をかけ、割り開く。
「あ、ぅ…」
羞恥に震える臨也の背を撫でてから、入れたままの太いバイブの端を摘んでぐりぐりと前立腺のある辺りに押し付けてやる。
「ヒッ!?あ、あッ!」
悲鳴じみた声を上げてビクビクと身体を震わせて、臨也はあっさりと達した。
相変わらず敏感な身体だ。昔は静雄の乱暴さに嫌だ痛いと繰り返していたが、今では臨也の身体は乱暴に挿入しても問題なく飲み込み快楽を得られるように作り変えられている。触れられるだけで感じ、乱暴に扱われれば怯えながらも勃起する。
淫乱になったと笑ってやれば、僅かに残った理性で悔しそうな顔をしながら、それでもその言葉によって瞳に興奮の色が見え隠れするのだから、もう元通りの『折原臨也』に戻ることは不可能だろう。
がくりと腕の力が抜けて倒れ込むのを片腕で難なく支えて、今日は何度目だったか、とぼんやりと考えながら静雄はフローリングの床に散ったそれを指で示して、命じる。
「手前が汚したんだ。舐めてきれいにしろ」
ビクリと身体が強張った。
半ば壊れているとはいえ、さすがにそれは抵抗があるらしい。
そう判断し、静雄はくつりと笑って臨也の後孔に埋め込まれたままのバイブに指をかけ緩く動かして刺激する。
「う、ぁ…あぁ…や、しずちゃ」
「もっと気持ちよくなりてぇだろ?」
「ん、ん……ッ、あっ」
ぐりっと動かすと、達したばかりの臨也の性器が先端からトロリと透明な液体を溢れさせた。
どうやら数時間前に打った薬はまだ十分その効果を発揮しているらしいと確認し、ぐりぐりと奥を抉るように掻き回す。
「ひ、ぁ…やっ、やだっ…しずちゃん、やッ」
粘膜を擦りあげるバイブを臨也の後孔がぎゅっと締め付ける。その窄まりのふちをなぞった指をぬぷりと差し込むと熱い肉がバイブと一緒に指を食い締めてきた。
「ッ!ひ、ぅうっ」
元々太いものを挿入された中がさらに増えた質量に悲鳴を上げるように痙攣する。
その震えを感じながら静雄はゆっくりとバイブだけを引き抜いた。長時間収められ肉壁は馴染んだそれが抜け出るのを拒むように蠕動し、抜いた後に残された指を必死に締め付けようとヒクついている。
「あ、ぁっ…しず、ちゃ…おねが、い」
今すぐ突っ込んでしまいたい衝動を抑えながら、静雄は支配者の声で再度命じた。
「入れて欲しいんだろ?」
こくこくと頷く愛らしい元天敵。
壊されて堕ちるところまで堕ちた臨也は、もうあのムカつく表情を見せることはない。
今思えば、静雄はあの臨也のことを嫌ってはいたが変えたいとは思っていなかったのだろう。
決して、心を壊されて自分に縋る姿を見たかったわけではなかったのだ。だが。
「…まあ、仕方ねぇよな」
誰かに盗られるくらいなら。そう思って監禁して壊したのも静雄自身だ。
事が起こった後にそれを知った新羅が痛ましそうな顔をしていたが、知ったことではない。
「臨也、床をきれいにしろ。そうしたら、たっぷり可愛がってやるよ」
「っ…ぅ、ッ」
躊躇うように怯えるように。
何度も床と静雄の顔とを視線を往復させて。
生理的なものでない涙を溜めた目が懇願するように見上げてくるが、静雄は首を振った。
どうせもう壊れかけているのだ。
なら、もはや昔の姿を思い出させることがないほどに滅茶苦茶にしてしまおう。
それが、静雄の出した結論だった。
髪を掴んで顔を臨也の精液で汚れた床に押し付けて、静かに行動を待つ。
その一方で、後孔に含ませた指をゆっくり回したり折り曲げたりして刺激を与え、臨也に決断を迫る。
身体を震わせながら、それでも暫く迷うように視線を泳がせていた臨也だったが。
くっと体内のもっとも感じるしこりを指の腹で刺激してやると、小さな悲鳴をあげて、ついに諦めたようにそろそろと床に舌を伸ばした。
「…ッ、ふ、ぅ」
ぺちゃぺちゃと粘着質な水音をたてて、赤い舌が床を汚す白濁を掬い取っていく。
その姿はもはや奴隷のそれだ。
臨也に残った僅かな人間としての心が完全に壊れる日は、たぶんそう遠くはないだろう。
何も考えたくないというようにただ舌を動かす臨也の頭を撫でてやって、静雄はくつりと暗い笑みを浮かべた。












※エログロ絵チャの手始めということで書いたSS。
まだ始めの方なのでそれほどエロくもグロくもないです。