カウントダウン 7
※2010年クリスマス企画。『あるいは一つの可能性』設定。











「臨也くん臨也くん!おかいもの行こうよ!」

高いテンションでそう言いながら後ろからタックルをかましてきたサイケに。
臨也は机にしたたかに打った額を押さえて低く唸った。

「サイケ、子供じゃないんだから飛びつくのはやめなさいって何度言ったら分かるのかな君は?」
「だって臨也くんっ、くりすますが来るんだよ!?ぷれぜんと買わなきゃだよ!?」
「…ああ、はいはい。クリスマスね」
「うん!くりすます!」
「…分かったよ。でも、何を贈るか決めてるのかい?」
「まだ!」

きっぱり首を振るサイケに、臨也はじゃあそれを決めてからでいいんじゃないのと言う。
が、サイケはおみせに行ってえらぶの!と張り切っていて聞く気はないらしい。
ネットがあるのになぁ、という臨也の意見は却下であるらしい。

「シズちゃんとつがると、臨也くんにもあげるからね!」
「はは、ありがと」

でもそのお金は俺が出すんだよね。
そう思いながら、臨也は「まあ、たまにはいいか」とスケジュールを調整するための作業を始めた。





「静雄、お前はもう決めたのか?」
「いや、まだだ」
「………」
「………」

男二人、顔をつき合わせて溜息をつく。

「サイケが何を喜ぶか分からない…」
「俺も分からねぇよ。特に臨也は、変なもんやると後々まで事あるごとに言いやがるし」
「………」
「………」

またしても溜息。
どれだけ考えてもいい案が浮かんでこなくて。
静雄も津軽ももうお手上げ状態だった。

「…なあ静雄。一つ提案があるんだが」
「奇遇だな。俺もだ」
「静雄がサイケに聞いてみてくれないか?」
「じゃあ、お前もさりげなく臨也に聞いてくれよ。さりげなくだぞ」
「…努力する」

こくりと頷き合って。
静雄と津軽は意を決した――第三者から見れば何もそこまでと言ってしまうだろう表情を作ったのだった。












※7日前。